エレクトロニクス/組み込み分野に詳しい大原雄介氏が、IoTブームに沸く「ET2016/IoT Technology 2016」をレポート。「IoTというより、もうちょっと組み込みっぽい感じで!」というMONOist編集部のざっくりした依頼に応えるべく展示会を訪れた大原氏の前には“獣道”が広がっていた……。
2016年11月16〜18日にパシフィコ横浜で開催された「ET2016/IoT Technology 2016」。主なレポート記事はこちらの特集サイトにまとまっているのでお読み頂くとして、筆者はMONOist編集部から裏通りの取材を依頼されたものの、歩いてみたら“獣道”だったという感じのレポートになってしまった。
会場の中央部には「Amazon AWS」(Photo01〜04)、「IBM Watson IoT」(Photo05、06)、「Microsoft Azure」(Photo07〜Photo09)という3大クラウドサービスベンダーが並んだのは半ば意図的なものではないかという気もするのだが、事実上IoT(モノのインターネット)がクラウドなしでは成立しない(クラウドなしのIoTは、ただのユビキタスコンピューティングでしかない)ことや、また当面データ処理の中心がクラウド側に置かれていることもあってか、従来的な組み込みシステムの提案はほとんど見られなかった。
これら3大クラウドベンダーのブース以外を見渡しても、自身でのクラウドサービスの提案とか、クラウドを使わないサービスといった話はほぼ見当たらず、これらのクラウドサービスへの接続性だったり、外部のセンサー類をどう接続するかだったり、といった事柄に終始していたのはちょっと残念ではあった。
全体的に、ソフトウェア側の提案は余り無く(もちろん例外はあった。後述)、従来よりもさらにハードウェア主体の展示会の傾向が強まっていた印象である。
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