スズキは1981年からGeneral Motors(GM)と資本提携を結び出資を受けた。2000年に出資比率を20%まで引き上げた他、欧州の小型車開発や燃料電池車の共同研究などで関係を強化したが、2008年にはGMの保有株を全て買い戻している。その後、Volkswagenと2009年に包括的な基本提携を結んだが、2011年には契約を解除し株式の返還手続きなどでもめた。VWとは2016年に和解。
この他、スズキは、国内自動車メーカーではいすゞ自動車、富士重工業、三菱自動車、日産自動車などとも協力関係があった。今回のトヨタ自動車との業務提携の検討について鈴木修氏は「独立経営の意思に変わりはない」と宣言している。
一方のトヨタ自動車は2016年8月にダイハツ工業を完全子会社化、新興国市場向けの小型車の開発/生産を一任することを決めた。スズキとダイハツ工業は小型車で競合するので、独占禁止法など法規制への対応も視野に入れて協業する範囲を決めていく。
また、マツダと2015年5月に業務提携を結び、“クルマの魅力向上”に向けて協力することとした。BMWとは2013年に燃料電池やスポーツカー、軽量化技術、次世代リチウムイオン電池などの共同開発について提携している。
この他にもトヨタ自動車は2005年から富士重工業に出資し、開発/生産分野での経営資源の相互活用に乗り出した。富士重工業の北米拠点でトヨタ自動車の「カムリ」を生産していた他、トヨタ自動車からのハイブリッドシステムの供給や、スポーツカー「86/BRZ」の共同開発で協力している。
豊田章男氏はこれまでの提携とこれから協議が進むスズキとの協業について「もっといいクルマづくりのためだというのは変わらない。しかし、自動車メーカーそれぞれに思想があり、得意分野も異なる。トヨタ自動車は、例えばBMW、マツダ、ダイハツ工業、スズキのいろいろなところから、まだまだ学ぶ点が多い」と語った。
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