トヨタがダイハツを100%子会社化、小型車開発をダイハツに集約へ製造マネジメントニュース

トヨタ自動車とダイハツ工業は、トヨタ自動車がダイハツ工業を完全子会社化することで合意した。ダイハツ工業は2016年7月27日に上場を廃止し、2016年8月1日からトヨタ自動車の完全子会社となる。ダイハツ工業はトヨタグループの小型車の商品開発や新興国市場向けの開発/調達/生産を主導する。

» 2016年01月29日 18時00分 公開
[齊藤由希MONOist]

 トヨタ自動車とダイハツ工業は2016年1月29日、トヨタ自動車がダイハツ工業を完全子会社化することで合意したと発表した。ダイハツ工業は2016年7月27日に上場を廃止し、2016年8月1日からトヨタ自動車の完全子会社となる。トヨタ・ダイハツの両ブランドの小型車の商品開発はダイハツ工業が主体となって取り組む。また、新興国市場での開発/調達/生産は両社の事業基盤を活用しながらダイハツ工業が主導して進めていく。「互いにこだわりを捨て、任せるところを任せて得意分野をそれぞれで伸ばす“選択と集中”」(トヨタ自動車 社長の豊田章男氏)によって、グローバル競争を勝ち抜く。

 トヨタ自動車がダイハツ工業を完全子会社化するのは、両社で共通した戦略の下で技術やノウハウ、事業基盤を融合し、両ブランドの特色を生かした競争力のある商品をグローバルで展開するためだ。両社の強みを生かすマネジメントの独自性は維持しながら、一体となって高度化する技術革新やスピーディーな事業展開に対応していく。

トヨタ自動車とダイハツ工業の協業体制

 今回の発表では、小型車の戦略として両社のブランドは差別化しながら、それぞれのユーザーに最適な商品ラインアップを拡充していくとしている。両ブランドの小型車の商品開発はダイハツ工業が主体となって進める。ダイハツ工業は、これまでの顧客目線のクルマづくりや、軽自動車で培った商品企画/技術開発のノウハウを進化させて、両ブランドの商品開発を担う。

 技術開発は両社で分担し、先進技術の開発と小型化や低コスト化が同時に実現できる体制とする。トヨタ自動車は電動化技術や情報化技術の分野に、ダイハツ工業は軽自動車で磨いたパッケージング力や低コスト化、軽量化など低燃費技術に重点を置く。初期構想から両社で共有して技術戦略を推し進める。

 ダイハツ工業はトヨタ自動車の先進技術を低コスト化/コンパクト化してダイハツブランドで展開する。また、ダイハツ工業は独自のクルマづくりのノウハウをトヨタグループ内で共有し、上位車種のコスト競争力向上にも貢献する。

 小型車が中心になるとみられる新興国市場では、ダイハツ工業が主体となって開発/調達/生産を効率的に進めていく。国内事業に関しては、トヨタ自動車の販売のノウハウやインフラを相互に活用し、ダイハツブランドの魅力向上と収益力強化を図る。

 ダイハツ工業の三井正則社長は「次の100年に向けた成長の道筋を描くことができた。トヨタ自動車との関係を強固にすることで、『ダイハツブランドの世界基準への進化』に踏み出していきたい」とコメントしている。

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