鏡型の血行状態モニタリング装置を開発医療機器ニュース

東北大学は、血行状態モニタリング装置「魔法の鏡」を開発した。鏡型ディスプレイにビデオカメラとコンピュータを内蔵し、その前に立つだけで血行状態や心拍数などを表示できる。

» 2016年10月10日 08時00分 公開
[MONOist]

 東北大学は2016年9月27日、皮膚表面の血行状態をリアルタイムに表示する、血行状態モニタリング装置「魔法の鏡」を開発したと発表した。鏡型ディスプレイの前に立つだけで血行状態や心拍数などが表示され、身支度を整える際に自分自身の体調を客観的に把握できる。

 同装置では、ビデオカメラで撮影した身体映像を利用し、皮下血液中のヘモグロビンが吸収する緑色信号の中から、心拍変動に関係のあるものだけを抽出する技術を活用した。ディスプレイにビデオカメラとコンピュータを内蔵し、遠隔・非接触で血行状態を動画像で表示できる。

 また、映像の脈波情報から、血圧変動と相関関係にある脈波伝搬時間や血行状態を推定するため、身体2カ所の領域間の信号の位相差を抽出。これによって得た血行パターンを顔などの実映像に重ねて表示することで、その変化と自分自身の体調変化を比較できるという。ビデオカメラを後方に取り付ければ、普段は見えない肩や背中の血行状態も観察可能になる。

 同装置は、インターネットを介した遠隔からの体調管理やアスリートの体調推定、自動車内の体調監視などへの応用も期待できるという。さらに今後は、心拍数変動や脈波振幅変動などから得られる自律神経系の指標を表示する予定だとしている。

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