両社の協業の成果については「早ければ2017年春から順次展開していく」と森氏は述べる。
「遠隔監視サービスを海外で使いたいというような声は既に多くの顧客から受けている。こうしたニーズに対応しつつ、セキュリティを確保した製品やサービスを順次展開していく。また、従来はこうした『つながり』による新しい機能を利用できなかった古い機器でもこうしたサービスが受けられるような『つながるデバイス』を協業により開発し、2017年秋の欧州の展示会で公開する」と森氏は語っている。
スマート工場の動きの中では、工場内のデバイス技術や製造工程におけるノウハウにICT関連の分析技術や通信技術などを組み合わせて提供するプラットフォーム化の動きが広がりを見せている。例えばファナックは、米国のCisco Systems、Rockwell Automation、Preferred NetworksおよびNTTグループ3社と協業しスマート工場のプラットフォーム「FIELD system」を発表。パートナー企業を募りエコシステムとして展開していく方針を示している※)。
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実は、DMG森精機はこのファナックの「FIELD system」のパートナーにもなっているが「FIELD systemのパートナーとしての取り組みは工場の生産ラインなどを構築するインテグレーター部門としての立場であり、今回の工作機械を中心とした取り組みとは異なる。インテグレーター部門としては、自社製品や他社製品に関係なく、顧客の要求に最適な工場を作り上げることを目指す」(森氏)としている。
プラットフォームのオープン化についても「今回の契約は排他的なものではないが、マイクロソフトと2社で作り上げたものを他社にも展開するということはあり得るが、最初からオープン化するようなことは考えていない」(森氏)としている。
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