出来上がった図面をテンプレートに張る際、「処理欄」にアルマイト処理を指示すると、ちょっとおしゃれな完成品を楽しめます(図22)。
図23は、下の箱にアルマイト(黒)をした場合です。
そして、図24はカラーアルマイト(赤)をした場合です。
図25は、カラーアルマイト(青)を指示した場合です。
いかがでしたでしょうか? 図面に慣れて読めるようになり、描くことまでできるようになると、やがては「あったらイイな」と思ったものを、自分の手で設計できるようになります。
最近は無償3次元CADのおかげで、一般の人が気軽にモノづくりを楽しめる時代になってきていますが、この流れが加速していくと「設計(モデリング)はできるけど、図面の読み描きはできない」という人が増えていってしまうと思います。筆者としては、アナログからデジタルへと時代は移り変わっても、最低限の「図面の読み描きのルール」は知っておく必要があるだろうと感じています。図面の読み描きのスキルや知識の向上には、何といっても数をこなすことが大切です。本稿を参考に頭と手を動かしながら、図面の読み描きを身に付けていっていただければ幸いです。
いつの日か、ご自身が設計した“モノ”を実際に手に取ってみてください。どんなにささいなモノでも、きっとわが子のように感じるはずです。そして、それが次の創作意欲へとつながっていくことでしょう(連載完)。
藤崎 淳子(ふじさき じゅんこ)
長野県上伊那郡在住の設計者。工作機械販売商社、樹脂材料・加工品商社、プレス金型メーカー、基板実装メーカーなどの勤務経験を経てモノづくりの知識を深める。紆余曲折の末、2006年にMaterial工房テクノフレキスを開業。従業員は自分だけの“ひとりファブレス”を看板に、打ち合せ、設計、加工手配、組立、納品を1人でこなす。数ある加工手段の中で、特にフライス盤とマシニングセンタ加工の世界にドラマを感じており、もっと多くの人へ切削加工の魅力を伝えたいと考えている。
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