コニカミノルタは、蛍光抗体法による高感度測定を可能にした免疫検査システム「SPFSイムノアッセイシステム」を開発した。トロポニンを高感度に測定し、診断時間を従来の約半分に短縮した。
コニカミノルタは2015年11月16日、蛍光抗体法による高感度測定を可能にした、免疫検査システム「SPFSイムノアッセイシステム」を開発したと発表した。主に心疾患とその関連マーカーを搭載したシステムとして、2017年から欧州市場で提供を開始し、欧米市場へも展開する予定だ。
心筋梗塞の診断では、心筋内に存在するバイオマーカー(タンパク質)であるトロポニンの検査が行われている。しかし、従来のトロポニン検査は、診断時間が長く、精度が低いなどの課題があった。
今回同社では、トロポニンを高感度に測定し、診断時間を従来の約半分に短縮する小型装置と、トロポニンを含む心疾患関連試薬で構成されるSPFSイムノアッセイシステムを開発。写真フィルム開発で培ったナノテクノロジーとファインケミカル技術を活用し、分子レベルでの検出を可能にした。
同社では今後、SPFSイムノアッセイシステムの提供を通じて医療現場の診断・作業効率を高め、救急現場のオーバークラウディングの削減を目指す。同時に、患者の死亡率低下、早期回復、早期帰宅にも貢献していくという。
また、疾患特有のバイオマーカー(タンパク質)の正確な捕捉を可能にしたことで、心筋梗塞やがんなど疾患に対し、精度の高い免疫検査が提供できるとしている。
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