トヨタ自動車が2015年12月に発売する新型「プリウス」。JC08モード燃費で40km/l(リットル)という環境性能だけでなく、従来モデルのプリウスの弱みだった走りの楽しさや乗り心地を大幅に向上している。これは、新型プリウスが第1号車となる「TNGA」プラットフォームが目指す目標でもある。
トヨタ自動車は2015年11月、富士スピードウェイ(静岡県小山町)において、同年12月の発売を予定している新型「プリウス」プロトタイプの試乗会を開催した。“プロトタイプ”と名打ってはいるものの、ほぼ販売モデルと変わらない車両を使い、富士スピードウェイの構内路や、富士スピードウェイ敷地内にあるトヨタ交通安全センター「モビリタ」のショートサーキットでの試乗、新型プリウスに採用する運転支援システム「Toyota Safety Sense P」の体験会などが行われた。
プリウスと言えば、トヨタ自動車を代表するハイブリッド車であり、常にその燃費性能が注目されてきた。4代目となる新型プリウスも、JC08モード燃費で40km/l(リットル)を達成するかどうかが一番の話題になっている。
試乗会の冒頭に説明を行った、新型プリウスの開発責任者でトヨタ自動車 製品企画本部 チーフエンジニア 豊島浩二氏は「これまでのプリウスの強みは圧倒的な燃費性能と先進機能にあった。しかしその一方で、走りの楽しさ、乗り心地、内装の品質感については、価格に見合わないという意見をいただくなど、弱みになっていた面がある」と説明する。
新型プリウスでは、これまでは燃費性能のためユーザーに我慢させていた、走りの楽しさと乗り心地を大幅に向上した。豊島氏が挙げる「新型プリウスが目指したもの」は以下の7項目から成っている。
1)と7)は従来の強みであった燃費性能と先進機能になるが、残りの2)〜6)は弱みとされていた走りの楽しさと乗り心地に関わる項目である。それだけ、新型プリウスの開発では走りの楽しさと乗り心地を強化することに注力してきたという証拠でもある。
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