4)「意図通りの走り」に関わるのが、3代目プリウス比で約60%向上したボディ剛性と、プリウスで初採用となるダブルウィッシュボーン方式のリヤサスペンションだ。
ボディ剛性の向上は、環状構造を利用した骨格、引っ張り強度が1500MPaクラスのホットスタンプ材の採用拡大、3代目プリウス比で約30%増やしたレーザースクリューウェルディング(LSW)や構造用接着剤の打点数などによって実現している。40km/lという厳しい燃費性能要求を重視すれば、ボディ剛性を向上するよりも、ボディ剛性を変えずに軽量化に役立てるという方向性もあり得たかもしれない。しかし新型プリウスでは、ボディ剛性を高めて、走行安定性を高める方針をとった。
「走行性能に目をつぶった部分があった」(同社の説明員)3代目プリウスでは、リヤサスペンションはトーションバー方式だった。しかし新型プリウスでは、走りの楽しさと乗り心地を向上するため、TNGAプラットフォームに最適なダブルウィッシュボーン式のリヤサスペンションを新開発した。これにより、3代目プリウス比で段差乗り越えショックが約3分の2に低減し、コーナリング時の操縦安定性も高まった。加えて、先述した低重心パッケージによる重心高の低減は、操縦安定性を高める効果もある。
「特に街中での走行では、直進安定性が高く操舵修正が少ない新型プリウスの乗り味の良さを感じてもらえるだろう。また、3代目プリウスでは、後席の乗り心地が良くないという意見もいただいていたが、新型プリウスでは大幅に改善できている確信がある」(同説明員)という。
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