アイシングループは「東京モーターショー2015」において、「環境・燃費」「安心・安全」の分野で技術開発を究めると発表した。
アイシン精機を中心とするアイシングループは2015年10月29日、「東京モーターショー2015」(一般公開日:2015年10月30日〜11月8日、東京ビッグサイト)のプレスブリーフィングにおいて、2025年に車両トータルで30%の燃費向上に貢献する技術・製品の開発に挑戦すると発表した。
アイシン精機社長の伊原保守氏は「この目標に向けて『熱マネジメント』『パワートレインの電動化』『伝達効率の向上』『空気抵抗値の低減』『軽量化』の5つの技術開発分野に区切り、極めていく」と明言。さらに、「安心・安全」分野にも力を注ぐという。
伊原氏は、5つの取り組みの中から「熱マネジメント」の取り組みについて紹介した。現在の熱マネジメントは、エンジンで発生した大量の熱をパワートレイン全体と、車体部品までの広い領域で制御し、「熱の最適配分」を行う手法が主流だ。
しかし、今後は電気自動車のような「熱を大量に発生させないパワーソース」も増えてくる。エンジンで発生した熱を回収して利用することができないため「今後は自ら『熱を作り出す』構造が重要になってくる」(伊原氏)。こうした“熱を作る”という観点を主眼に、グループ全体で熱マネジメント向上に取り組むという。
アイシングループは「見える安心・ぶつからない安全」をキーワードに、交通死亡事故ゼロのクルマ社会を目指した取り組みにも注力するという。2015年10月にフランスのボルドーで開催された「ITS世界会議2015」では、自動運転技術のデモを披露した。「完全自動駐車の実現」を目指した駐車支援技術として、スマートフォンを使って無人で自動駐車を行う「リモコン駐車」の開発に成功している。
他にも同社の「ドライバーモニターシステム」を応用し、ドライバーが運転中に意識を失った場合に備え、緊急時にクルマを安全に退避させる技術を紹介した。これは、ステアリングの後部に配置したカメラでドライバーの顔の向きやまぶたの開閉を検知し、ドライバーの状態を観察する。ドライバーが運転不能状態だと判断した際に、自動運転モードに切り替え、クルマを路肩に退避させる仕組みだ。
伊原氏は「アイシン精機は2015年で50周年を迎えた。次の50年も“挑戦”を続け、グループ一体となって新しい価値を提供していく」と意気込みを語った。
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