横浜ゴムは、タイヤ周辺の空気の流れをコントロールするエアロダイナミクス技術利用した「新形状エアロダイナミクスタイヤ」を「東京モーターショー2015」で参考出品する。空気抵抗を減らす「フィンタイヤ」の進化版で、車両の浮き上がりも抑制できるという。
横浜ゴムは2015年10月15日、「東京モーターショー2015」(一般公開日:2015年10月30日〜11月8日、東京ビッグサイト)で「新形状エアロダイナミクスタイヤ」を参考出品すると発表した。
新形状エアロダイナミクスタイヤは、タイヤ周辺の空気の流れをコントロールするエアロダイナミクス技術を進化させ、製品に落とし込んだもの。クルマの空気抵抗低減に加え、走行時に発生する車両の浮き上がり抑制の実現に成功した。同技術が実用化すれば、クルマの燃費性能と車体の安定性の向上につながるという。
横浜ゴムは2010年から空力シミュレーションを活用したエアロダイナミクス技術を研究している。2012年12月には、装着時に車両の内部側になる側面にフィン状の突起を配置した「フィンタイヤ」によって、走行時に車両全体の空気抵抗を低減できることを発表した(関連記事:フィン付きタイヤで空気抵抗を低減、エアロパーツ並みの効果を確認)。
今回参考出品するタイヤは、このフィンタイヤの進化版で、車両全体の空気の流れを制御するべくフィンの形状を新たに開発した。配置方法も一新し、タイヤのショルダー部に近いサイドウォールに斜めに配置する手法を取っている。さらに、従来のフィンタイヤではフィンをタイヤの内側に配置していたが、新形状エアロダイナミクスタイヤでは、フィンをタイヤ外側のサイドウォールに配置している。これにより、タイヤ上部では空気抵抗を低減でき、タイヤ下部では車両の浮き上がり抑制につながることを発見したという。
同社はフィン配置に関する知見を得るべく、東北大学流体科学研究所教授の大林茂氏らと、スーパーコンピュータ「京」を使った解析も行っているという。「ディンプルやフィンの形や配置を変えることで、燃費性能だけでなくさまざまな要求性能を満たすタイヤ設計技術の研究を進めていく」と発表した。
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