社長の三井氏が「当社のデザイン力を全て凝縮した」と強調するキャストだが、どのように開発が進められたのだろうか。
ダイハツ工業の執行役員 技術本部長を務める上田亨氏は「軽自動車、登録車ともデザイン重視モデルの販売台数が伸びている。そこで、キャストのコンセプトを、『生活を彩る自分仕様の軽自動車』とした」と述べる。ここで言う「自分仕様」を反映したのが、アクティバ、スタイル、スポーツという3つのバリエーションモデルの同時開発である。
キャストでは、車両の基本構造は共通にしながら、各モデルの独自性を際立たせられるパーツを洗い出した上で大胆に変更することで、世界観の違いを表現したという。例えば、リヤクォーターピラーパネルは外板部分を樹脂パーツの取り付け構造にすることで、さまざまなカラーに対応できるようにした。スポーツで赤のワンポイントを加える際にも利用されている。
フロントグリル形状が同じスタイルとスポーツのバンパーは上下2パーツ構成になっており、下部パーツの変更でそれぞれのモデルのデザインに対応できる。ドア側面下部は3モデルで異なるデザインになっており、アクティバはガンメタリック塗装のサイドドアモール、スタイルはメッキ加飾のサイドドアモール、スポーツは赤のピンストライプ付きのサイドストーンガードにして、デザインの差異化を図った。
内装も、インストルメントパネルの構造は共通化しながら、インナートレイをオープンタイプとクローズタイプで使い分けている。
その一方で丸型形状が印象的なヘッドランプとリヤコンビネーションランプは、3モデルで共通部品とし、開発コストの削減につなげている。
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