2015年9月8日、フォルクスワーゲンとBMWがプラグインハイブリッド車の国内投入を発表した。今回発表された「ゴルフGTE」と「X5 xDrive40e」を、「アウトランダーPHEV」「プリウスPHV」「アコード プラグインハイブリッド」という国内自動車メーカーのプラグインハイブリッド車と比較した。
Volkswagen(フォルクスワーゲン)とBMWというドイツの大手自動車メーカー2社は2015年9月8日、プラグインハイブリッド車を国内市場に投入すると発表した。フォルクスワーゲンは主力車「ゴルフ」をベースに開発した「ゴルフGTE」、BMWは主力SUV「X5」をベースにした「X5 xDrive40e」である。ゴルフGTEは同日から販売を開始し、X5 xDrive40eは同日から注文受付を始め、2015年12月から納車する予定だ。
海外自動車メーカーが同日に新型車の国内投入を発表することはまれだが、両社ともプラグインハイブリッド車ともなるとなおさらである。ただし、ドイツの自動車メーカーは、プラグインハイブリッド車開発に注力しており、欧州での展開を先行して進めている。エコカーに対する要求が厳しい国内市場だが、プラグインハイブリッド車を本格的に展開している国内メーカーはトヨタ自動車と三菱自動車程度。フォルクスワーゲンとBMWが、半ば空き家になっている国内プラグインハイブリッド車市場に、強い意欲を示した格好だ。
ゴルフGTEは、2014年3月の「ジュネーブモーターショー2014」で初公開された。モジュラープラットフォーム「MQB」に基づくゴルフをベース車としていることから、モーターやリチウムイオン電池パックを含めた追加システムも容易に搭載できたとする。
プラグインハイブリッドシステムは、排気量1.4l(リットル)の直噴ターボエンジンと走行用モーター、専用開発された6段変速のDCT(デュアルクラッチトランスミッション)、リチウムイオン電池パックなどから成る。エンジンと6速DCTの間にモーターを挟む構成となっており、モーターだけで走行する際にエンジン動力を遮断するクラッチがあるため、DCTと合わせて3つのクラッチを有している。走行モードは、モーターだけで走行する「Eモード」、エンジンとモーターを組み合わせて走行する「ハイブリッド(HV)モード」、スポーティーな走行モードの「GTEモード」を選べる。
エンジンは最高出力110kW/最大トルク280Nm、モーターは最高出力80kW/最大トルク330Nm。車室床下に設置した水冷のリチウムイオン電池パックは容量が8.7kWhである。モーターとリチウムイオン電池パックの電力だけを使って走行できる距離(EV走行距離)は51.3kmを確保した。
車両重量はゴルフGTEが1580kgなのに対して、同じ排気量1.4lの直噴ターボエンジンを搭載する「ゴルフ TSI Highline」が1320kgなので、プラグインハイブリッド化に際しての重量増加は260kgとなる。なお、プラグインハイブリッドシステムを構成する各ユニットの重量も公開されている。排気量1.4lの直噴ターボエンジンは102.8kg、6速DCTが98.5kg、モーターが34kg、リチウムイオン電池パックが120kg、インバータなどのパワーエレクトロニクスユニットが12kgだという。
税込み価格は499万円。先述したゴルフ TSI Highlineが324万2000円であり、プラグインハイブリッド化による価格上昇は約175万円である。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.