自動運転車のソフトウェアをオープンソース化、「研究開発を2年は前倒せる」:自動運転技術(2/2 ページ)
ZMPが今回提供するパッケージには、Autoware搭載のRoboCar HV、3次元レーザースキャナ、カメラ、大容量バッテリーシステム、制御用PCなどが組み込まれている。ZMP取締役技術開発部長の三原寛司氏によれば、「すぐに自動運転技術の研究開発に利用できるパッケージ」と説明する。加藤氏も、「2012年から自動運転技術の研究開発を進めてきたが、当初は何から取りかかればいいのかも分からなかった。Autoware搭載のRoboCarを使えば、そういった試行錯誤が不要になり、自動運転技術の研究開発をゼロベースから始めるよりも2年は前倒しできるだろう」と強調する。
なお、Autowareはオープンソースのソフトウェアではあるものの、基本的にはZMPのRoboCarシリーズと3次元レーザースキャナの使用を前提としている。
「Autoware」は「RoboCarシリーズ」と3次元レーザースキャナ、3次元地図の使用が前提になっている(クリックで拡大) 出典:ZMP
また三原氏は、ZMPが手掛ける自動運転技術とAutowareの関係についても説明した。「Autowareは、3次元地図と3次元レーザースキャナを使った自動運転技術の“研究開発のしやすさ”に主眼を置いている。一方ZMPでは、DeNAと協業しているロボットタクシーなどの実用化に向けて、自動運転車をより“低コストで量産化すること”を意識しており、、高価な3次元レーザースキャナではなく、カメラや2次元レーザースキャナといったより安価なセンサーを用いた研究開発を行っている」(同氏)という。
ZMPの自動運転技術と「Autoware」の関係。Autowareは“研究開発のしやすさ”に主眼を置いており、ZMPの自動運転技術は“低コストで量産化すること”を意識している(クリックで拡大) 出典:ZMP
イベントにはZMP社長の谷口恒氏も登壇し「ここまで機能がそろった自動運転のソフトウェアがオープンソースソフトウェアとして公開されるのは、知りうる限り聞いたことがない。素晴らしい取り組みだ」とコメントし、今後も加藤氏の研究グループとの連携を深めていく方針を表明した。
ZMPの「RoboCar HV」。「Autoware」の1780万円のパッケージでは、このRoboCar HVとVelodyneの3次元レーザースキャナ「Velodyne 16」の組み合わせになる
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