“棚ごと運べる”無人搬送車、床面マーカー不要で自律走行を可能にFAニュース(2/2 ページ)

» 2015年08月04日 14時00分 公開
[陰山遼将MONOist]
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平均誤差10mmで自車の位置を認識

 今回日立が開発した無人搬送車の自律走行技術は、マーカーに依存せずさらに周囲の物の配置状況をリアルタイムに検知して倉庫内の配置図を更新するため、商品棚の移動といった環境の変化にも対応できる。

 日立は同技術の精度の検証に向け、一般的な無人搬送車の利用環境である70m四方の建屋内で、1m四方の商品棚が搬送により配置変更を繰り返す状況をコンピュータ上で模擬した。その中で今回開発した技術を搭載した無人搬送車が、自車の位置を認識しながら走行するシミュレーションを実施した結果、平均誤差10mmで自車の位置を認識できることを確認したという。

 日立は2014年9月から部品・商品の保管棚を棚ごと自動搬送する小型・低床式の無人搬送車「Racrew」を販売している。Racrewは小型かつ低床で、棚の下に潜り込んで棚を持ち上げ、指定位置まで自動搬送が行えるのが特徴だ。現場の作業効率の向上や省人化への貢献を目指した製品だ(関連記事)。

 日立は今回開発した技術をRacrewに適用し、床面マーカーを敷設していない小規模な実証スペースにて商品棚の搬送を繰り返す実験を行った。その結果、搬送によって変化する商品棚の配置をリアルタイムに配置図に反映させながら自車の位置を認識し、自律走行と商品棚の搬送作業が可能であることを確認したという。今後は今回の自律走行技術を適用したRacrewの実用化に向けた研究開発に取り組むとしている。

今回開発したシステムを無人搬送車に適用した実証の様子(クリックで拡大) 出典:日立製作所

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