車載情報機器のeCall対応テストに最適、日本NIが無線試験システムを投入設計開発ツール

日本ナショナルインスツルメンツ(日本NI)は、BluetoothからWi-Fi、GPS、携帯電話通信に至るまで複数の無線技術に関する試験を一括して行える「Wireless Test System」を開発した。新型車への搭載義務化が計画されている、欧州の緊急通報システム「eCall」を組み込んだ車載情報機器の開発に最適だという。

» 2015年05月29日 08時00分 公開
[朴尚洙MONOist]

 日本ナショナルインスツルメンツ(日本NI)は、BluetoothからWi-Fi、GPS、携帯電話通信に至るまで複数の無線技術に関する試験を一括して行える「Wireless Test System」を開発した。2015年5月から国内販売を始める。

 Wireless Test Systemの主要顧客として想定されているのが、カーナビゲーションシステムやテレマティクスシステムといった車載情報機器を開発する企業だ。特に、新型車への搭載義務化が計画されている、欧州の緊急通報システム「eCall」を組み込んだ車載情報機器の開発に最適だという。

日本NIの「Wireless Test System」 日本NIの「Wireless Test System」(クリックで拡大) 出典:日本NI

 eCallは、自動車が事故を起こした際に即座に緊急通報を行うことで、事故発生地点に早急に救急車を派遣するなどして、自動車事故によって失われる人命をできるだけ減らすために開発されたシステムである。eCallの通信インフラとしては、GSMやLTEなどの携帯電話通信が用いられることが決まっている。

 現行の車載情報機器には、カーナビゲーションに必須のGPS、携帯電話機やスマートフォンと連携するためのBluetoothやWi-Fiといった無線通信機能が搭載されている。eCallの搭載義務化により、欧州市場で新たに販売される自動車の車載情報機器は、携帯電話通信に関する試験も併せて行う必要が出てくる。Wireless Test Systemは、その試験に最適というわけだ。

 実際に先行顧客として、eCallの通信モジュールを開発しているPeikerや、車載情報機器大手のHarmanが、Wireless Test Systemを組み込んだNOFFZのRF量産テストシステム「UTP 9010」を使って、試験時間や試験コストを削減している。Peikerの事例では、試験コストを25%削減できたという。

 なお、Wireless Test Systemは、「ワイヤレステクノロジーパーク2015」(2015年5月27〜29日、東京ビッグサイト)の日本NIブースで展示されている。

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