日産自動車とBMWは、南アフリカにおける電気自動車(EV)とプラグインハイブリッド車(PHEV)を普及推進するために充電インフラの拡充で協力する。日産自動車のEV「リーフ」に対応するチャデモ方式とBMWのEV「i3」とPHEV「i8」に対応するコンボ方式、両方の充電コネクタを装備する急速充電器の設置を進めていく方針だ。
日産自動車とBMWは2015年5月25日(南アフリカ時間)、南アフリカにおける電気自動車(EV)とプラグインハイブリッド車(PHEV)を普及推進するために、EV/PHEV用充電インフラの拡充で協力すると発表した。
南アフリカ日産(NSA)とBMWグループ(BMW SA)は、両社のEVとPHEVが使用できる充電器を、南アフリカ全土に共同で設置するための覚書を締結している。この覚書に基づき両社は、日産自動車のEV「リーフ」の急速充電コネクタであるチャデモ(CHAdeMO)方式とBMWのEVとPHEVの充電コネクタであるコンボ(Combined Charging System)方式、両方の充電コネクタを装備する急速充電器の設置を進めていく。また、全てのEVとPHEVへの充電が可能な普通充電器の整備を進めることでも合意している。これらの取り組みは、両社の役員からなる共同タスクチームが運営する予定だ。
これまでEV用急速充電コネクタについては、2010年に立ちあがった日本のチャデモ方式と、2012年5月に後追いで提案された米独のコンボ方式の間で、2013~2014年前半にかけて激しい規格争いがあった(関連記事:EV用急速充電の規格争い、チャデモに負けはない)。
最終的には、チャデモ、コンボ、そして中国独自のGB方式を含めてIEC(国際電気標準会議)の国際標準規格として承認され、規格争いそのものは一段落している(関連記事:日本発のEV用急速充電規格「チャデモ」はなぜ国際標準になれたのか)。
今回の日産自動車とBMWの発表は、EVやPHEVの普及推進をこれから始める段階にある地域では、規格争いをするよりも、チャデモ/コンボ両対応の急速充電器を協力して設置する方が互いにメリットがあることを示唆している。
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