NECは同社のPLMソリューション「Obbligato III(オブリガート スリー)」を活用し、オムロンの製品技術情報をグローバルで一元管理できるPLMの構築を行ったと発表。既にオムロンの車載事業部門において稼働を開始しており、2016年度以降には他の事業部への導入も進めていく。
NECは2015年5月18日、オムロンの設計図面・仕様書・部品表などの製品技術情報をグローバルで一元管理できるPLM環境の構築を行ったと発表した。NECのPLMソリューションである「Obbligato III(オブリガート スリー)」を活用しており、既にオムロンの車載事業部門において稼働を開始している。さらに2016年度以降には他の事業部への導入も進めていく方針だ。
今回導入されたObbligato IIIは、NECがリテール・物流・製造などのエンタープライズ領域に向けて、グローバルに提供を進めている「NEC Global Enterprise Solutions」の1つ。現在、オムロンの車載事業部門の設計・生産拠点8カ所(国内2カ所・海外6カ所)に導入されており、約500人が利用しているという。24時間365日の稼働体制で、SOA(サービス指向アーキテクチャ)技術を適用し、生産管理システムや販売管理システムとリアルタイムに連携している。
生産拠点ごとに設計変更の適用日を設定する機能や、自動車部品特有の設計変更時におけるきめ細かなバージョン管理を行う機能も備える。さらに設計図面などの機密データについて、メール添付、印刷、画面キャプチャー、外部媒体へのコピーといった操作を利用者ごとに制御して、社外流出を防ぐことも可能だという。
オムロンがグローバルにObbligato IIIを導入した背景には、同社の2020年に向けた長期経営ビジョン「VG2020(Value Generation 2020)」がある。この中の「売上高1兆円以上、営業利益率15%」という目標に向け、オムロンはグローバルな事業成長と収益構造改革を進めており、こうした取り組みを支える設計支援基盤としてグローバルなPLM環境の導入を行った。
オムロンはObbligato IIIを活用し、設計ノウハウの継承や課題の共有を行う他、設計資産の共有による開発効率の大幅な向上、グローバルでの拠点・部門の枠を超えた連携による開発リードタイムの短縮を図る。さらに同一製品を複数工場でグローバルに並行生産したり、複数の仕向地に対応したりすることで、市場状況に応じて臨機応変に生産工場を選択するグローバルな最適生産の実現や、事業継続計画(BCP)への対応強化を進めていくとしている。
世界市場を見据えたモノづくりを推進するには、エンジニアリングチェーン改革が必須。世界同時開発を実現するモノづくり方法論の解説記事を「グローバル設計・開発」コーナーに集約しています。併せてご参照ください。
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