組み込み業界からも注目のWindows 10、桃色もあるマイクロソフトESEC2015

ESEC2015のマイクロソフトブースではWindows Embeddedや搭載製品の紹介の他、今夏に登場する「Windows 10 IoT」の紹介が耳目を集めていた。「IoTあるじゃん」プロデュースの「PinKit」の先行予約も受け付けている。

» 2015年05月13日 18時34分 公開
[渡邊宏MONOist]

 組み込みシステムとIoT/M2Mの開発に必要なハードウェア・ソフトウェア・コンポーネントから開発環境までが一堂に集結する「第18回 組込みシステム開発技術展(ESEC2015)」および「第4回 IoT/M2M展」が開幕した(会期:2015年5月13〜15日)。

 マイクロソフトブースでは今夏の登場が予告されている最新OS「Windows 10」の組み込み向け製品「Windows 10 IoT」をセミナー形式で紹介している他、「組み込み機器からのIoT」を実現するmbedボード「GR-PEACH」の先行予約販売受付も行われている。Windows 10 IoTのセミナーが始まるとブース前には多くの人が集まり、組み込み業界からの関心も高いことを伺わせた。

photo ESEC2015 マイクロソフトブース

 セミナーでは、マイクロソフトが提供する組み込み機器向けOS「Windows Embedded」シリーズがWindows 10投入に合わせて「Windows 10 IoT for devices」シリーズへと一新され、「Windows 10 IoT for industry devices」「Windows 10 IoT for mobile devices」「Windows 10 IoT Core」の3エディションが用意されることも紹介された。

photo Windows Embeddedシリーズは「Windows 10 IoT」シリーズに統合される
photo 3つのWindows 10 IoT

 3つのエディションはいずれもOSのコア、ドライバ、管理ツールが共通で、「Windows 10 IoT for industry devices」はロックダウン機能を有したPC向け、「Windows 10 IoT for mobile devices」はスマートフォンやタブレット向け、「Windows 10 IoT Core」はシェルを持たず、Raspberry PiやEdisonなどの小型デバイス向けになる。APIについても統合されており、1つのAPIで全てのWindowsエディションに対応する。

 ロックダウン機能についてはキーボードやマウスを無効にするインプットフィルターやストレージへの上書きを禁止するライトフィルター、USBポートを無効にするUSBフィルターなどが用意され、紹介の限りでは現行Windows Embeddedシリーズで提供されているものに準じるようだ。オープンソースIoT規格「AllJoyn」への対応も行われる。

photo 「Windows 10 IoT for industry devices」はWindows 10に組み込み機器向け機能を追加した製品と位置付けられる
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photo 全てのWindows 10が「AllJoyn」に対応する

 赤・緑・青・黄色の色がテーマカラーの同社ブースのなかで唯一“桃色”なのが、「Pinkit」の予約受付コーナー。PinkitはIoYT(Internet of Your Things) を広めることをテーマとしたコミュニティー「IoT あるじゃん(ALGYAN)」がプロデュースしたmbedボードとセンサー付きドーターボードで、mbedボードはルネサス エレクトロニクスのRZ/A1搭載ボード「GR-PEACH」が利用されている。

photo ルネサス「RZ/A1H」を採用したmbedボードとセンサー付きドーターボードを組み合わせた「Pinkit」

 GR-PEACHはCortex-A9コアを採用した「RZ/A1H」を搭載しており、高い処理能力を持つmbedボード(Cortex-A9コア搭載「GR-PEACH」ファーストインプレッション)。まだ一般販売は開始されておらず、本ブースでの予約は一般販売に先行してのものとなる。Pinkitの価格は1万2938円で、100セット限定。出荷開始は2015年7月が予定されている。

photo ESEC会場での予約者には特典として桜色のUSBケーブルがプレゼントされる

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