年収1000万円以上の転職、「経験を生かせる求人の少なさ」「給与・待遇のミスマッチ」で苦労キャリアニュース

エン・ジャパンが人材紹介会社集合サイト「エン転職コンサルタント」上で転職コンサルタント112名を対象にした調査を実施。「年収1000万円以上の転職の実態」に関するレポートを発表した。

» 2015年04月24日 14時00分 公開
[MONOist]

 国税庁の調査によると、年収1000万円以上稼いでいるのは3.9%。こうした高年収層は転職活動時に「経験を生かせる求人の少なさ」「給与・待遇が合わない」といった苦労を抱え、8割がスカウトやヘッドハンティングで転職先を決めているようだ。エン・ジャパンが2015年3月に発表した「年収1000万円以上転職の実態」についてのアンケート調査で明らかになった。

 同調査ではまず転職コンサルタント112名を対象に、「年収1000万円以上の方の転職活動は、どのように進むケースが多いですか」と質問。一般的な転職方法である「求人サイトに登録し、求人情報に応募する」は17%にとどまり、「エージェントからのスカウト/ヘッドハンティング」が79%で最多となった。「個人の人脈・つながり」(42%)、「企業からの引き抜き」(20%)がそれに続いている。

photo 年収1000万円以上の方の転職活動は、どのように進むケースが多いですか。(複数選択可)

 年収1000万円以上の層が転職活動する際に苦労する点として過半数が挙げたのは、「経験を生かせるポジションの求人がない」(58%)、「給与・待遇が希望と合わない」(54%)の2つ。「会社方針と転職者の価値観が会わない」(29%)が続いた。

photo 年収1000万円以上の方が転職において苦労することが多いケースを教えてください。(複数回答可)

 具体例としては、「どんなに経験豊富な優秀な方であっても、自分の得意分野・業界と高い精度で一致する求人案件がたまたま出てこなければ、マッチングは難しい」、「ハイレイヤー(経営層など高年収帯)の募集は縁故やヘッドハンターへの依頼が多く、通常の紹介会社では案件獲得(募集情報を入手すること)が難しく、求人数が著しく少ない」、「現職との比較の中で動きが止まる方は一定数おられます。ウィンドウショッピングのように悩み始めたことで、企業側のモチベーションが下がる事例もありました」、「高年収の企業にいて、客観的に見ると700万くらい(のスキル)であるにもかかわらず1000万以上のため、スキルと年収が合わず落ちる」、「東京からのUターン転職の場合、大阪以西では20〜30%年収ダウンが当たり前で、かつ1000万円以上の案件は数えるほどしかない」などの問題があると指摘している。

 年収1000万円以上の層の転職が成功するケースについて、ポイントとなる点として最も多く挙げられた事柄は、「採用企業の課題を分析し、自分が貢献できる点を伝えられている」(52%)だった。このほか回答者の3人に1人以上が挙げた項目としては、「ビジネスレベルの英語力を有している」(39%)、「キャリアの棚卸しが十分にできている」(37%)、「職務経歴書で強みを明確にアピールできている」(34%)、「コンサルタントをうまく活用している」(34%)が挙げられている。

photo 年収1000万円以上の転職成功者に共通するポイントを教えてください。(複数回答可)

 こうした結果を踏まえ、エン・ジャパンは年収1000万円以上の転職を検討している層に向けて、「中長期的な視点で活動を」「ポイントを絞った転職活動を」「多少の給与ダウンはいとわずに」といった点を心掛けるように助言している。

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