アベノミクス第3の矢を実現する10のイノベーション【前編】安倍政権の命運を左右する?(3/6 ページ)

» 2014年12月05日 18時55分 公開
[陰山遼将,MONOist]

2020年までに水素社会の実現を

 エネルギー関連では、「新しいエネルギー社会の実現に向けて」として、水素の利用を中心としたエネルギー産業の創出に対する「エネルギーキャリア」というプログラムも設けられた。2014年度の予算配分は33億600万円である。PDは東京ガス 代表取締役副会長の村木茂氏が務める。シンポジウムには村木氏の代理として、サブPDの放送大学 客員教授の秋鹿研一氏が登壇し、同プログラムの概要を説明した。


サブPDを務める放送大学 客員教授の秋鹿研一氏(左)とプログラムの概要(右)(クリックで拡大)出典:内閣府

 秋鹿氏が「エネルギー産業の中に水素を組み込むため技術開発を行う」とする同プログラムでは、水素の貯蔵や運搬方法としてアンモニアや有機ハイドライトを利用する技術の開発、およびその実現可能性の見極めを行う。また、燃料電池や水素発電といった水素を利用するさまざまな技術の低コスト化、高効率化に対する研究開発に加え、水素の利用や輸送に関する安全基準の策定に向けた取り組みも行われる。

プログラムの全体図(クリックで拡大)出典:内閣府

 同プログラムのロードマップは、2018年をめどに水素の運搬や貯蔵に関する要素技術の開発を行い、水素ステーションへの供給システムの確立や水素エネルギーの導入シナリオを策定。同年以降は、社会的な実証実験を推進し、2020年の「東京オリンピック・パラリンピック」では技術開発成果をデモンストレーションとして披露するとしている。

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