ワン氏は、LiBへの第三者認証機関による安全評価の必要性について説明した。同氏は「現行の安全規格ではLiBの安全面に関する全ての課題に対応できない」と主張する。その理由として「現行規格で行われている耐久性試験で発見できるのは、利用したサンプルの設計上の問題と、一部の品質問題のみ。電池セルの設計における不測の問題点や、長期の経年劣化といった問題に対応できない」と説明した。
UL Taiwanが行う安全評価では、耐久試験の判定結果だけでなく、さまざまな使用条件におけるLiBの状況を詳細に分析することで、LiBの均一性や起こりうる品質問題の把握を行っているという。「耐久試験の結果に関わらず、さまざまな状況においてLiBに生じる不具合の理由、およびその過程を分析することで、潜在的なリスクを発見している」(ワン氏)。
ワン氏はこうしたLiBへの安全評価について、「現行の安全規格以上の評価項目が必要であり、潜在的なリスクの調査も求められる。安全評価における分析では、各種試験への合格/不合格に限らず、その現象が、なぜ、どのようにして起きたのかを理解することが重要」とし、「第三者認証機関による安全評価は、電池セルの性能や潜在的な性能を事前に把握できるため、メーカーにとってメリットがある。また、消費者に対するより安全な製品の提供にも貢献できる」と語った。
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