PM2.5の検出も可能、村田製作所が金属メッシュデバイスの標準品を発表医療機器ニュース

村田製作所の金属メッシュデバイスは、血液成分や細胞、PM2.5などの微粒子を分離、検出する。今回、幅広い用途に活用できるよう、3種類の標準モデルを発表した。

» 2014年09月03日 19時57分 公開
[MONOist]

 村田製作所は2014年9月2日、金属メッシュデバイスの標準モデルとして「1907」「4520」「7232」を発表した。金属メッシュデバイスとは、マイクロメートルオーダーの物質を選別し、さらにそこで選別された微量物質を検出するもの。2013年8月に発表された。金属メッシュデバイスに物質が付着すると、表面の電磁波共振形態が影響を受けて、電磁波応答が変化する。これを測定することで物質を検出できるという。血液成分、細胞、微粒子、ほこり、異物などの抽出や分離、空気を通しても液体を通しにくい通気フィルタといった用途に向ける。

 1907、4520、7232は、格子間隔、穴サイズ、厚みの設計を標準化した3タイプとなる。例えば、ヘルスケア市場では、血液成分や細胞の抽出や分離、環境市場ではPM2.5などの微量物質の検出に使用できる。

 3タイプの仕様は下記の通り。サンプル価格は、1セット(10個入り)10万円となる。

金属メッシュデバイスのイメージ
標準タイプ名 格子間隔 穴サイズ 厚み
1907 2.6 1.9 0.85
4520 6.5 4.5 1.80
7232 10.4 7.2 1.80
いずれも設計値で、単位はμm。

 各種の検査や分析における前工程では、必要な試料をサイズに応じて分離するために、多孔性膜(多数の微細な貫通孔をもっている膜)が主に使用されている。だが、多孔性膜は穴サイズのばらつきが大きくて分離の精度が悪い、開口率が小さく処理に時間がかかる、侵食性の強い薬品を使えない、などの課題があった。

 今回発表された3タイプは、開口率を上げて処理速度を上げ、耐薬品性を備えるなど、これらの課題に応えて開発された。

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