ホンダが開発した壁掛けタイプの電気自動車(EV)用普通充電器「HEH55」は、太陽光発電システムと連系可能であり、Wi-Fiによる無線通信機能で充電状態をユーザーに知らせることもできる。
ホンダは、自動車技術の展示会「オートモーティブワールド2014」(2014年1月15〜17日、東京ビッグサイト)において、壁掛けタイプの電気自動車(EV)用普通充電器「HEH55」を展示した。
マンションやショッピングセンターなどの自走式立体駐車場にEV用普通充電器を設置する場合、一般的なスタンドタイプの製品だと、設置スペースを確保できなかったり、配線工事を行うのが難しかったりという問題が発生しやすい。壁掛けタイプのHEH55であれば、これらの問題を気にせず設置できるという。
HEH55は、太陽光発電システムと連系できることも特徴となっている。定格出力5.5kWのパワーコンディショナを備えており、太陽光発電システムによって発電した電力だけを使ってEVを充電できる。HEH55と併せて展示したプラグインハイブリッド車(PHEV)「アコード プラグイン ハイブリッド」の容量6.7kWhのリチウムイオン電池パックであれば、約1.5時間で満充電になる。
この他、Wi-Fiによる無線通信機能も搭載しており、ホンダが開発中のスマートフォンアプリなどを介してEVやPHEVの充電状態をユーザーに知らせることもできる。
HEH55の価格については、「次世代自動車充電インフラ整備促進事業による補助金の対象として申請中なのでまだ公開できない」(ホンダ)という。ただし、同社が販売するスタンドタイプのEV用普通充電器(新電元工業製)の価格は100万円であり、HEH55についてはパワーコンディショナ分の価格を上乗せした程度になるとみられる。
なお、次世代自動車充電インフラ整備促進事業による補助金の対象になれば、地方自治体が認める公共スペースに設置する場合に、充電器本体価格と設置工事費の合計の3分の2に相当する補助金が得られる。加えて、ホンダやトヨタ自動車、日産自動車、三菱自動車による充電インフラ普及支援プロジェクトから、残り3分の1の支援金も得られる。
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