東洋ゴム工業は、ミニバン専用タイヤ「TRANPATH(トランパス)シリーズ」の2014年向け新製品として、環境性能と安全性能の両立に加えて、ふらつきのない「しっかり感」を追求した3品種を発表した。中でも「TRANPATH LuK」は、需要が拡大しているハイトワゴン/スーパーハイトワゴンタイプの軽自動車向けとなっている。
東洋ゴム工業は2013年12月18日、ミニバン専用タイヤ「TRANPATH(トランパス)シリーズ」の2014年向け新製品として、環境性能と安全性能を両立させながら、ふらつきのない「しっかり感」を追求した3品種を発表した。中型ミニバン向けの「TRANPATH mpZ」、高級ミニバン向けの「TRANPATH LuII」、そして需要が拡大しているハイトワゴン/スーパーハイトワゴンタイプの軽自動車向けの「TRANPATH LuK」である。発売日はTRANPATH mpZが2014年2月14日、TRANPATH LuIIが同年1月14日、TRANPATH LuKが同年3月14日。3製品合計で年間100万本の販売を計画しており、このうちTRANPATH LuKの販売数は10万本を見込んでいる。
同社は、ミニバンの形態や使われ方に着目し業界に先駆けて専用タイヤを開発し、TRANPATHシリーズとして1995年から供給してきた。今回の2014年向け新製品では、低燃費タイヤ「NANOENERGY(ナノエナジー)シリーズ」に適用している独自のゴム材料設計基盤技術「Nano Balance Technology」をTRANPATHシリーズに初採用し、燃費を向上させながらウェットグリップ性能も高めた。また、従来はタイヤ溝が4本だったところを3本に減らしてワイドトレッド化した新パターンとともに、プライコードの巻き上げを高くした「スーパーハイターンアップ構造」を採用。これらによって、コーナーリングやレーンチェンジの際の車両のふらつきを大幅に低減し、「しっかり感」を実現することに成功している。
今回この「しっかり感」を重視した製品開発が行われた背景には、ミニバンが積載容量と車両総重量が増えタイヤへの負荷が高まっていること、全高が1600mm以上あってふらつきやすいハイトワゴンタイプやスーパーハイトワゴンタイプが軽自動車の売れ筋となっていることがある。
TRANPATH mpZは、初代TRANPATHから数えて6代目となる製品だ。対象車両は、日産自動車の「セレナ」やトヨタ自動車の「ノア/ヴォクシー」といった中型ミニバンである。2011年発表の現行品「TRANPATH mpF」と比べて剛性を大幅に高めることで「しっかり感」を向上。非対称3本溝パターンの採用とワイドトレッド化により、耐摩耗性も27%改善できたという。サイレントウォールによりパターンノイズも低減した。タイヤサイズは39種類をそろえている。
TRANPATH LuIIは、トヨタ自動車の「アルファード/ヴェルファイア」や日産自動車の「エルグランド」などの高級ミニバンをターゲットに2005年に発売された「TRANPATH Lu」の後継製品となる。「しっかり感」に加えて、高級ミニバンにふさわしい上質な静粛性と乗り心地を追求した。特に、高周波域のロードノイズを低減するために、高剛性エッジキャップで補強することにより振動モードを抑えた。また、異なる形状のパターンブロックを組み合わせ、それを最適化して音を分散するなどさまざまな手法を用いてパターンノイズを低減。TRANPATH Luと比べて、騒音エネルギーを最大23%低減することができたという。タイヤサイズは10種類をそろえた。
TRANPATH LuKは、スズキの「ワゴンR」、ダイハツ工業の「ムーヴ」、ホンダの「N-WGN」、日産自動車の「DAYZ」、三菱自動車の「eK」といったハイトワゴンタイプの軽自動車や、スズキの「スペーシア」、ダイハツ工業の「タント」、ホンダの「N BOX」などのスーパーハイトワゴンタイプの軽自動車向けに新たに開発した製品である。TRANPATH mpZと同様の技術を用いて、車両の全長や全幅に制限がある中で全高が極端に高くなっているハイトワゴン/スーパーハイトワゴンタイプの軽自動車の「しっかり感」を実現している。特に、レーンチェンジ後の揺り戻しを大幅に削減することによるふらつきの抑制が特徴となっている。
また、商品名に入っている「Lu」が示すように、高級ミニバン向けのTRANPATH LuIIの技術を採用して静粛性と乗り心地も改善。ホンダの「N-ONE」が標榜した「プレミアム軽」のような、軽自動車にも生まれつつある高級志向を意識した製品にもなっている。タイヤサイズは9種類をそろえている。
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