東洋ゴム工業は、「人とくるまのテクノロジー展2013」において、樹脂製等速ジョイントブーツの特徴について紹介した。従来のゴム製と比べて、重量を半分程度まで軽減できるだけでなく、耐熱性も高められることから移行が進んでいる。
東洋ゴム工業は、「人とくるまのテクノロジー展2013」(2013年5月22〜24日、パシフィコ横浜)において、同社が展開する樹脂製等速ジョイントブーツの特徴について紹介した。従来のゴム製ブーツと比べて、重量を半分程度まで軽減できるだけでなく、耐熱性も高められることから移行が進んでいる。
等速ジョイントは、エンジン動力を車輪に伝えるための部品である。ドライブシャフトや車輪との接続部は軸受構造になっているので、潤滑のためのグリースを封入する必要がある。このグリースを封入するためのカバーが等速ジョイントブーツである。また、接続部の軸受構造は、等速ジョイントのシャフトに対してさまざまな角度を取って回転するので、等速ジョイントブーツはその動きに対応するために蛇腹構造になっている。
かつて等速ジョイントブーツは、クロロプレンゴム(CR)を用いたゴム製だったが、1990年代に熱可塑性ポリエステル系エラストマー(TPEE)を使った樹脂製のものが登場。徐々に、ゴム製から樹脂製に置き換わりつつある。東洋ゴム工業の場合、現在生産している等速ジョイントブーツのうち約70%が樹脂製だという。
TPEEはCRと比べて比重が軽く、薄くても十分な強度や耐摩耗性、剛性を持つ等速ジョイントブーツを製造できる。このため大幅な軽量化が可能になる。「同サイズの等速ジョイントブーツであれば、樹脂製はゴム製の約半分の重量になる」(東洋ゴム工業)という。耐熱性も樹脂製の方が高い。さらに、加硫を行うゴム製では難しい、成形不良品や端切れなどのリサイクルも樹脂製であれば可能である。
東洋ゴム工業は、樹脂製をはじめとする等速ジョイントブーツの需要拡大に合わせて、2014年からタイでも生産を始める予定だ。愛知県みよし市と米国ケンタッキー州に次ぐ、3箇所目の生産拠点となる
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.