「引っ越し難民」解消へ T2がサカイ、ハートと家財輸送の自動運転実証開始自動運転技術(1/2 ページ)

T2とサカイ引越センター、ハート引越センターは今春から関東〜関西間でレベル2自動運転トラックによる長距離輸送の実証を開始する。ドライバー不足問題の解消に向け、自動運転特有の車両挙動が及ぼす荷崩れへの対策などを検証する。

» 2026年03月17日 06時15分 公開
[安藤照乃MONOist]

 サカイ引越センターとハート引越センターは2026年3月12日、T2の自動運転トラックを用いて、関東〜関西間における家財の長距離幹線輸送の実証を開始すると発表した。高速道路の一部区間において、ドライバーが乗車した状態でハンドルから手を離して運行する自動運転レベル2(高度な運転支援)を適用する。

(中央左から)ハート引越センターの太田至計氏、サカイ引越センターの山野幹夫氏、T2の熊部雅友氏 (中央左から)ハート引越センターの太田至計氏、サカイ引越センターの山野幹夫氏、T2の熊部雅友氏[クリックで拡大]

 サカイ引越センター 専務取締役の山野幹夫氏は、「人間が運転する場合と自動運転とでは車両の挙動が異なることもある。実証を通じて、積載方法による家財への影響や、最適なオペレーションを確認したい」と語る。また将来的には、長距離運転負担の軽減による従業員の疲労軽減や、夜間運行を活用したサービスの展開による新たな顧客層の獲得、コスト削減への波及効果にも期待を寄せているという。

関東〜関西を結ぶ実証ルートと運行スケジュール

実証の概要 実証の概要[クリックで拡大] 出所:T2

 3社は2026年の春より実証を始める。サカイ引越センターは、東京レールゲートWEST(東京都品川区)〜神戸六甲支社(兵庫県神戸市)間の約520kmのうち、東名高速道路の綾瀬スマートIC(インターチェンジ)〜名神高速道路の西宮IC間の450kmを自動運転区間とする。期間は2026年4月4〜5日と、その後10月までに計4回実施する。

 ハート引越センターは、東京センター(東京都葛飾区)〜大阪センター(大阪府摂津市)間の510kmの運行のうち、東名高速道路の綾瀬スマートIC〜名神高速道路の高槻IC間の約440kmを自動運転とする。期間は2026年5月23〜24日と、その後11月までに計4回実施する。なお、今回の実証では、両社とも単身個人の引越家財を対象とする。

【動画】家財の積み込みデモンストレーションの様子[クリックで再生]

 3社が東京レールゲートWESTで開催した説明会では、実際に家財を自動運転トラックへ積み込むデモンストレーションも公開した。サカイ引越センターは実際の業務において家財をカゴ車で搬出入しており、山野氏によれば「荷量にもよるが、1便当たり約3〜5世帯分の家財を混載して幹線輸送を行う運用を想定している」という。

依頼が集中する3〜4月に「引越難民」が増加

引越業界では、転勤や進学が重なる3〜4月に依頼が集中する。これに加えて、労働人口の減少や、時間外労働の上限規制に伴う「物流の2024年問題」に起因するドライバー不足も進行している。国土交通省らも利用時期の分散などを呼びかけているが、将来的には希望の日程で引越ができない「引越難民」の増加が危惧されている。

2026年の引越混雑予想カレンダー 2026年の引越混雑予想カレンダー[クリックで拡大] 出所:国土交通省
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