日産自動車が2014年2月に日本国内で発売する新型「スカイライン」。その最大の特徴である世界初のステアバイワイヤ技術「ダイレクトアダプティブステアリング」について、同社が米国でリコールを届け出た。エンジンルーム内の温度が氷点下になった場合、バックアップ機構を含めて動作しなくなる可能性があるという。
米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)は2013年12月16日(米国時間)、日産自動車から高級車ブランド「インフィニティ」の新型セダン「Q50」についてリコールの届け出があったことを発表した。Q50は、日本国内で2014年2月に新型「スカイライン」として発売される予定の車両である(関連記事:新型「スカイライン」が示唆する日産の自動運転技術の実現性)。
不具合が確認されたのは、Q50に搭載された世界初のステアバイワイヤ技術「ダイレクトアダプティブステアリング」の制御ソフトウェアである。エンジンルーム内の温度が氷点下になった場合、ダイレクトアダプティブステアリングが動作しなくなる可能性があるという。Q50には、ダイレクトアダプティブステアリングに不具合があった場合のバックアップ機構として、ステアリングホイールと前輪の車軸を機械的に接続するステアリングシャフトを設置してある。しかし、エンジンルーム内の温度が氷点下になっていると、この機械的接続のタイミングについても遅延する可能性があるとしている。
リコール対象の車両は23台。NHTSAが日産自動車からリコールの届け出を受理したのが2013年11月20日だったこともあり、不具合のある23台のオーナーへの連絡は既に完了している。
なお、国内における新型スカイラインの発売日は2014年2月なので、今回のリコールの原因となった不具合が発生する心配はなさそうだ。
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