バッテリー積んでも広さは健在、ダイハツ初の軽EVは守り抜いた積載性能で勝負電動化(1/3 ページ)

ダイハツ工業は軽商用バンタイプのEV「e-ハイゼット カーゴ」「e-アトレー」を発表。トヨタ、スズキとの共同開発のシステムを採用し、積載性能を死守した。ラストワンマイルの決定版を目指し月間300台からスタートする。

» 2026年02月05日 06時00分 公開
[安藤照乃MONOist]

 ダイハツ工業(以下、ダイハツ)は2026年2月2日、軽商用バンの「ハイゼット カーゴ」と「アトレー」をベースとした、軽商用バンタイプのEV(電気自動車)「e-ハイゼット カーゴ」と「e-アトレー」を発表した。また、同日より全国で一斉に販売を開始した。

「e-ハイゼット カーゴ」 「e-ハイゼット カーゴ」[クリックで拡大]

 今回、ダイハツは初めて量産でEVを投入する。1957年の軽三輪車「ミゼット」発売以来、軽商用車を展開してきたダイハツだが、EVの展開は他社より後れを取っていた。ダイハツ 代表取締役社長の井上雅宏氏は、今回の発表に際し、決意を次のように語った。

ダイハツの井上雅宏氏 ダイハツの井上雅宏氏

「軽商用車は、お客さまの生活を支えるまさに『相棒』。その相棒がEVに代わっても、今まで通りの仕事が100%できる、あるいはそれ以上の価値を感じてもらえるかが重要だ。先行する競合他社はあるが、われわれは積載性や使い勝手という商用車の本質を徹底的に磨き上げてきた。まさに『ラストワンマイルの決定版』であると自負している」(井上氏)

 広く親しまれてきたベース車の利便性を損なうことなく、EVならではの付加価値を上乗せすることで、これまで以上に信頼される「働く相棒」を目指す構えだ。

トヨタ、スズキ共同で基幹システムを開発

 今回のEV化を支える基幹技術として、ダイハツ、トヨタ自動車(以下、トヨタ)、スズキの3社は軽自動車用EVシステム「e-SMART ELECTRIC」を共同開発した。同システムはバッテリー、駆動ユニットの「e Axle(イーアクスル)」、電力供給ユニットのESU(Electricity Supply Unit)で構成される。

バッテリーは床下に敷き詰める形で配置した バッテリーは床下に敷き詰める形で配置した[クリックで拡大]
「e-SMART ELECTRIC」の概要 「e-SMART ELECTRIC」の概要[クリックで拡大]出所:ダイハツ

 バッテリーはリン酸鉄リチウムイオン電池を採用し、総電力36.6kWhでフル充電時の走行距離はWLTCモードで257km(WLTCモード)を実現した。駆動ユニットとしてはモーター、インバーター、減速機を一体化したe Axleを搭載する。最高出力は47kWで最大トルクは126Nm。後輪駆動軸上に配置することで、多積載時や急勾配の登坂路に対して、グリップ力による発進とスムーズな加速を実現した。

e-ハイゼット カーゴの(左)フロントと(右)側面[クリックで拡大]

 開発にあたっては、トヨタが長年のEV開発で培った電動化技術の知見をベースに、バッテリー制御やインバーターの効率化のノウハウを提供した。スズキとダイハツは軽自動車開発の知見を基に寸法内への実装と部品の標準化を協議し、最終的にダイハツが実装設計と生産としてまとめ上げた。

 なお、3社は商用車のカーボンニュートラル化を目指すCommercial Japan Partnership Technologies(CJPT)に参画しており、e-ハイゼット カーゴとe-アトレーは、CJPTを介してトヨタとスズキ向けにOEM(相手先ブランドによる生産)供給される(トヨタは2026年2月2日、軽商用バン「ピクシス バン」にEVモデルを追加している)。

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