SUBARUは、2026年3月期第3四半期の決算と今後の見通しを発表した。米国の追加関税や環境規制の変更、円安の影響を大きく受けて、第3四半期の営業利益が前年同期比82%減となるなど大きく落ち込んだ。
SUBARU(スバル)は2026年2月6日、オンラインで記者会見を開き、2026年3月期第3四半期(2025年4月1日〜12月31日)の決算と今後の見通しを発表した。第3四半期の連結業績は、売上高が前年同期比0.5%減の3兆5190億円、営業利益が同82%減の663億円となった。また通期業績については、売上高が前回予想比2200億円増の4兆8000億円となる一方で、営業利益が同700億円減の1300億円となるなど増収減益を見込んでいる。
2026年3月期第3四半期の連結生産台数は前年同期比9.4%減の65万7000台となった。その内訳は、日本国内が39万9000台、米国が25万7000台である。「フォレスター」の販売台数が国内外で伸びる一方で、連結販売台数は前年同期比4.5%減の67万6000台となった。スバル 取締役執行役員 CFOの戸田新介氏は「販売台数の減少は、当初よりアナウンスしていたBEV(バッテリー電気自動車)の自社生産のために改修工事をしている矢島工場(群馬県太田市)の影響である。工事は計画通りに終了しており、現在はBEVの生産を開始している」と述べる。
2026年3月期の通期業績見通しが減益になった背景には、2025年10〜12月における特殊要因に伴う600億円の費用計上が大きく影響している。特殊要因は「米国追加関税影響」「米国環境規制の変更」「期末時点の急激な円安」の3つである。
米国の追加関税影響については、現地調達部品や円安、保証修理用の部品に関税影響が及び、約210億円の追加計上が発生している。また、米国の環境規制の変更案を受け、同社が保有する環境規制クレジットの減損を含めた約280億円の費用を計上している。円安による影響は、外貨建ての保証修理引当金の円換算評価が約110億円増加した。これらの影響により、第3四半期単独だけでも営業利益を364億円押し下げる影響があった。
報道陣の「米国の環境規制クレジットの評価損をこのタイミングで計上した理由について」という質問に対し、戸田氏は「2025年7月に米国政府の変更案として『罰金無し』の選択をしていいという提示に対して、われわれはこの時点ではこの選択をしないという意思決定を取っていた。その後2025年11月に、罰金ではなくそもそもの環境規制の数値基準の緩和案が米国政府から提案され、われわれはこの基準を達成できる見込みが立った。基準を達成するのであれば、継続して引当金を計上するのは適切ではないと判断し、罰金無しという選択を取った。そのため今回の計上に至っている」と回答している。
2026円3月期第3四半期の営業利益における前年同期と比べた場合の増減内訳について、戸田氏は「米国での追加関税により、2166億円の減益となり、その他経費で347億円の減益となった。この中には環境規制関連費用の280億円の増加が含まれている。これらの減益影響に対して、販売活動では価格構成の改善、販売奨励金の抑制により344億円増加となっている。なお、米国市場向けの販売奨励金は前年同期比50ドル減の1台当たり1950ドルであった」と語る。
通期営業利益の前回見通しからの主な変化について、追加関税による当初の影響見通しは2100億円と米国政府による相殺措置による影響額250億円を差し引いた1850億円と予測していた。これに対し実際の影響額見通し額は、440億円増の2290億円である。戸田氏は「自動車関税の税率が15%になったタイミングが、当初の2025年9月1日から9月16日になったことや、米国での現地調達部品の関税影響が予想より増加したこと、保証修理部品に対する関税の波及、鉄鋼/アルミ関税の適用など、年度途中の関税政策の変更により増加している」と分析する。
2026年3月期の連結業績見通しについて、売上高は4兆8000億円となり、前回の見通しより増収するとしている。しかし、為替レート反映、米国追加関税、米国環境規制案の変更による特殊要因を受け、営業利益を前回予想比700億円減の1300億円、親会社の所有者に帰属する当期利益を同350億円減の1250億円に下方修正する。「見通しに関して、第4四半期の残り3カ月については、矢島工場の工事終了に伴う生産台数回復、申請を済ませている自動車部品に関わる追加関税に対する相殺措置が認可されることを踏まえている」と述べている。
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