McLaren P1は空力性能も高い。車体に収納可能なアクティブリヤウイングが最も大きく伸ばされるレースモードのダウンフォースは600kgに達する。これは、最高速度の時速350kmではなく時速257kmで走行している際に発生し、実際のサーキットのコーナーで適切なダウンフォースを得るために設定されたものだという。最高速度でコーナーリングすることがほぼないことを考えれば、当然のことかもしれない。
アクティブリヤウイングは、長さや角度を調節できるので、走行環境に合わせた最適なダウンフォースが得られる。長さは、公道では120mmまでしか伸ばせないが、サーキットであれば300mmまで伸長可能だ。角度(迎角)も最大29度までの範囲で調整できる。
さらに、直線コースで速度性能を高めるための「ドラッグ・リダクション・システム(DRS)」も採用している。これは、リヤウイングで発生するドラッグ(空気抵抗)を減らすためのもので、F1レースカーがリヤウイングの可変フラップを上昇させて実現しているのに対して、McLaren P1ではリヤウイングの角度調整による水平に寝かすことで同じ効果を得ている。
DRSを起動するためのボタンは、ステアリングホイールの左側に設置されている。約0.5秒でリヤウイングは水平になり、ドラッグを約23%低減できる。
この他、前輪の前側にある2枚のフラップにより空力特性を最適化している。アクティブリヤウイングと同様に、角度を制御することにより、コーナーリング時の速度向上とグリップレベルの改善が図れる。
このように、クルマで走ることを楽しむための機能が多数盛り込まれているMcLaren P1だが、インテリアの装備は極めて質素だ。
軽量化を実現するために炭素繊維強化樹脂で製造したボディモジュール「MonoCage」の表面にはほぼ手を加えておらず、レースカーなどで用いられるバケットシートを2つ並べている。フロアマットなども標準では用意されていない。
インストルメントパネルは、ドライバーの目の前に位置する6.8インチのメインディスプレイと2個の3.0インチアウタースクリーンで構成。また、運転席と助手席の間に位置するタッチパネルを使って空調の操作などを行う。
価格が約1億円にもかかわらずインテリアが質素なのは、走りを楽しむことに焦点を当てて開発されたからだ。究極のドライビングカーとして、F1レースカーと同様にムダを取り去り、限界まで走りを満喫できなければ、マクラーレン・オートモーティブのクルマとして価値はないという哲学が基盤になっている。
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