幻のスポーツカー「トミーカイラZZ」はなぜEVとして復活を遂げたのか電気自動車(1/2 ページ)

京都発の電気自動車(EV)ベンチャー・グリーンロードモータースが開発したEVスポーツカー「トミーカイラZZ」が、グランフロント大阪で披露されている。206台しか販売されなかった幻のスポーツカーであるトミーカイラZZは、なぜ同社のEVとして復活したのか。全ては1つの出会いから始まった。

» 2013年05月07日 05時00分 公開
[三月兎,MONOist]
グリーンロードモータースの小間裕康氏(左)と「トミーカイラZZ」のテストドライバーを務める白石勇樹氏

 2013年4月26日、JR大阪駅北側の再開発地区「うめきた」にオープンしたグランフロント大阪。その2階の「The Lab みんなで世界一研究所」には、京都発の電気自動車(EV)ベンチャーであるグリーンロードモータースが開発したEVスポーツカー「トミーカイラZZ(ズィーズィー)」が展示されている。現時点で、同車両の実物を見られる唯一の場所だ。


グランフロント大阪で展示されているEVスポーツカー「トミーカイラZZ」 グランフロント大阪で展示されているEVスポーツカー「トミーカイラZZ」(クリックで拡大)

 トミーカイラZZの正式な予約受付開始はグランドフロント開業日の4月26日からだが、Webサイトでは先行予約が始まっている。価格は800万円で、2013年度は99台限定で販売する計画だ。既に100人以上の仮予約が入っており、先行予約の初日だけでも30人から正式な購入の意思が伝えられているそうだ。

 実車を見ることもなく「欲しい!」と思わせるトミーカイラZZの魅力やその開発秘話について、グリーンロードモータース社長の小間裕康氏と、テストドライバーの白石勇樹氏に聞いた。

グリーンロードモータースの小間裕康氏(左)と「トミーカイラZZ」のテストドライバーを務める白石勇樹氏 グリーンロードモータースの小間裕康氏(左)と「トミーカイラZZ」のテストドライバーを務める白石勇樹氏(クリックで拡大)

EVプラットフォームとFRP製ボディの組み合わせ

 トミーカイラZZの特徴は、その製造方法にある。アルミのモノコックフレーム(EVプラットフォーム)だけで全ての安全設計試験に対して合格している。そのため、外形デザインとなるボディに関しては、軽量のFRP(繊維強化樹脂)で作製したものを載せるだけでも安全性を確保できる。大手自動車メーカーが、安全性とデザイン性を両立させるためにプレス加工でボディを作製しているのと比べて、ボディにより高いデザイン性を持たせやすいという。

「トミーカイラZZ」のフロントマスク(左)。インストルメンタルパネル周辺のデザインもカッコいい(クリックで拡大)
滑らかなカーブのリアデザイン。エロティックな表情がある(クリックで拡大)
キャリパーも車体カラーと同じ赤色にまとめられている(左)。心憎い演出だ。右側の写真では、CGを使って、ボディ内部に組み込まれたEVプラットフォームを表示させている(クリックで拡大)
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