「iPhone」や「iPad」向けOSの最新バージョン「iOS 7」は、車載ディスプレイ「iOS in the Car」と連携する機能を備えている。「iOS 6」から導入した、音声エージェント「Siri」を用いるハンズフリー操作機能「Eyes Free」に続き、AppleはiOSの自動車向け機能を着々と充実させている。
Appleは2013年6月10日(米国時間)、同社のアプリケーション開発者向けカンファレンス「World Wide Develpers Conference(WWDC) 2013」において、スマートフォン「iPhone」やタブレット端末「iPad」などのOS「iOS」の最新バージョン「iOS 7」を発表した。新機能の中でも、自動車関連で最も注目されているのが「iOS in the Car」だろう。
iOS in the Carは、iOSデバイスと連携するインダッシュタイプのディスプレイモジュールである。iOSデバイスを接続することで、iOS in the Car側からiOSデバイスの機能を利用できるようになる。ドライバーが運転中の場合でも、「iOS 6」の新機能として発表された、音声エージェント「Siri」を利用するハンズフリー操作機能「Eyes Free」を使えば、iOSデバイスを操作できる。利用できるiOSデバイスの機能は、ハンズフリー通話、伝言メモの再生、音楽再生、インスタントメッセージサービス「iMessage」の送受信、ナビゲーションなどである。
iOS in the Carは、2014年から利用できるようになる予定だ。日産自動車(高級車ブランド「Infiniti」を含む)、ホンダ(高級車ブランド「Acura」を含む)、Daimlerの「Mercedes-Benz」ブランド、General Motorsの「Chevrolet」と「Opel」の両ブランド、Ferrari、Jaguar、Hyundai Motor、Kia Motors、Volvoなどが対応車両の開発を進めている。
実のところ、iOS in the Carは、ドライバーしかiOSデバイスを操作できないEyes Freeの機能を、インダッシュタイプのディスプレイモジュールを使って同乗者も操作できるようにしただけにすぎない。
ただし、iPhoneよりも画面サイズがはるかに大きく、車両内にしっかりと組み込まれているインダッシュタイプのディスプレイモジュールは、Eyes Freeだけの場合と比べて、ナビゲーション機能がはるかにを利用しやすくなっている。
実際に、これまでに発表されているGeneral MotorsとホンダのEyes Free対応車両の場合、iOSデバイスの画面を使ったナビゲーション機能はサポートしていなかった。
AppleのiOS 7の新機能解説ページでは、iOS in the Carについて、自宅から会社など、よく利用する走行ルートを使った場合の到着予想時間をあらかじめ知らせる機能や、メールのテキストから抽出した住所を目的地に設定し、ターンバイターン方式で経路案内する機能などを紹介している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.