トヨタテクニカルディベロップメントは、トヨタ自動車からの委託を受けて、Linuxベースの車載情報機器向けプラットフォーム「Tizen IVI」の開発活動に参加している。
トヨタテクニカルディベロップメント(TTDC)は、東京都内で開催中の「Automotive Linux Summit Spring 2013」(2013年5月27〜28日、主催:The Linux Foundation)において、Linuxベースの車載情報機器向けプラットフォーム「Tizen IVI」向けの開発成果を披露した。
公開した成果は2つある。1つは、車載情報機器のユーザーインタフェース(UI)をTizen IVI上で管理するためのミドルウェア「UIマネージャー」である。もう1つは、UIマネージャーの動作を確認するのに用いるサンプルデモ「ホームスクリーン」だ。UIマネージャーは、車両運転中のドライバーが車載情報機器を操作する際に、ドライバーに与える負荷を減らすようなUIの動作を実現するために開発している。これらは、オープンソースソフトウェアとして公開される予定だ。
この他にも、Tizen IVIを用いた車載情報機器とトヨタ車の車載制御系システムを連携させる際に、車載制御系システムに対するセキュリティを確保するためのプラグイン「VIC」も開発中である。VICを公開する予定はない。
TTDCは、トヨタ自動車が100%出資する開発子会社で、Tizen IVI向けの開発活動はトヨタ自動車からの委託によって実施している。Tizen IVIは、バージョン2.0が2013年4月に公開されているが、トヨタ自動車やTTDCが本格的に活動に参加したのは、現在仕様策定中のバージョン3.0からとなる。
トヨタ自動車は、2011年11月開催の「Automotive Linux Summit」において、「これまでの自前主義から脱却し、Linuxに代表されるオープンソースソフトウェアを積極的に活用していく」方針を表明していた(関連記事:自前主義からオープンソース活用へ、トヨタが車載情報機器の開発方針を転換)
なお、展示システムのハードウェアは、Sandy Bridge世代のIntelプロセッサを搭載する「NDiS 166」(NEXCOM製)を用いている。インテルによれば、「間もなく市場投入される次世代車載プロセッサの『Bay Trail』は、Sandy Bridgeと同等クラスのプロセッサやグラフィックスの処理能力を備えている。Sandy Bridge世代のIntelプロセッサを使ってTizen IVIを用いた車載情報機器の開発を進めておけば、Bay Trailへの移行を容易に済ませられる」という。
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