インテルは、ET2012で、同社のプロセッサ製品を用いた車載情報機器のデモを多数披露した。これらのデモでは、Linuxベースの車載情報機器向けプラットフォーム「Tizen IVI」や、HTML5ベースのWebアプリケーションが重要な役割を果たしている。
インテルは、「Embedded Technology 2012/組込み総合技術展(ET2012)」(2012年11月14〜16日、パシフィコ横浜)において、同社のプロセッサ製品を中核に、Linuxベースの車載情報機器向けプラットフォーム「Tizen IVI」や、HTML5ベースのWebアプリケーションなどを用いて構築した車載情報機器のデモンストレーションを披露した。
展示ブースの中央全面に押し出しているのが、「Atom E600シリーズ」の評価ボードを用いたカーナビゲーションシステム(カーナビ)とスマートフォンの連携デモである。スマートフォンによるカーナビの目的地設定や、スマートフォンからカーナビへの映像や楽曲データの転送、カーナビで表示されている周辺店舗情報から得たクーポンのスマートフォンへの送信が行える。
このデモの最大の特徴は2つある。1つは、カーナビとスマートフォンのアプリケーションをHTML5ベースで開発していることだ。カーナビにはTizen IVIが組み込まれており、Tizen IVIのWeb Runtime上でアプリケーションを動作させている。スマートフォンでは、HTML5対応のWebブラウザ上でアプリケーションが動作している。もう1つは、カーナビとスマートフォンを連携させるための通信に、Web Socketを用いていることである。具体的には、カーナビとスマートフォンの携帯電話通信機能を使って、クラウド上での運用を想定するWeb Socketサーバーに接続して連携を実現している。ユーザーインタフェース(UI)のデザインや、システム全体の構築はニューフォリアが担当した。
さらに、カーナビのデモでは、ゼンリンが開発中のHTML5ベースの地図データを使ったルート案内に、リクルートのグルメサイト「ホットペッパー」に掲載されている店舗情報を呼び出せるAPI「リクルートWebサービス」などを組み合わせて、Webベースでカーナビゲーションを完結できることを示した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.