この他、「Ivy Bridge」のコードネームで知られる「第3世代Coreプロセッサーファミリー」を用いた、次世代のコックピットをイメージしたデモも展示した。
この展示では、ダッシュボードに4台のディスプレイが埋め込まれている。各ディスプレイには第3世代Coreプロセッサーファミリーを搭載したPCが接続されており、それぞれUbuntuが組み込まれている。
これらのうち右側の3台を使って、走行速度やエンジン回転数といった車両のさまざまな情報を、CanvasやWebGLを使ったグラフィカルなHTMLベースのUIで表示している。UIの表示に用いたWebブラウザは「Chrome」である。これらのUIを開発したアプトポッドは、車両の位置情報や走行データをリモートで管理できる、同社のHTML5ベースのアプリケーションもノートPC上で動作させていた。
残りの左端の1台は、タブレット端末と連携するカーエンターテイメントシステムを模擬している。ドイツのCinemoというベンダーのソフトウェアを用いて、DLNAを介した映像や音楽データのやり取りを行える。
第3世代Coreプロセッサーファミリーを使った車載情報機器のデモはもう1つある。インテルのパートナーのバイテックが展示したもので、DFIのMini-ITXマザーボード「CR100-CRM」に、動作周波数が2.6GHzの「Core i5-3320M」、容量8GバイトのDDR3メモリ、Blu-rayディスクプレーヤーを搭載したコンセプトデモ機に、Tizen IVIを組み込んでいる。
このコンセプトデモ機と3つのディスプレイを接続し、ディスプレイメーターとカーナビの表示、フルHD映像データの再生を同時に行った。ディスプレイメーターは、Tizen IVIに標準添付されているHTML5ベースのアプリケーションを用いている。カーナビについては、エディアがTizen IVIの前進となる「MeeGo IVI」向けに開発した「MAPLUS for MeeGo」を使用した。フルHD映像データは、Tizen IVIの標準メディアプレーヤーで再生している。
「これらのアプリケーションを同時に実行しても、プロセッサのリソースの20%程度しか使用していない」(バイテック)という。とはいえ、Core i5-3320MのTDP(熱設計電力)は35Wであり、現行のカーナビ向けプロセッサに求められている5W以下という消費電力にはほど遠い。
これらの他にも、スマートフォンとカーナビの間で著作権保護されたコンテンツを、ユビキタスのDLNA/DTCP-IPソリューションを使用して共有するデモや、Atom E600シリーズの評価ボードに最適化したブートローダを使って3秒以内でLinuxを高速起動するデモなどを披露した。
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