TSVの実用化が現実のものとなり、メモリ以外への適用が出てくると、TSVへの関心が製造技術(いかに作るか)から、信号品質(どのように使うか)へと変ってきました。
このような意味で、DesignConでの発表も多くなってきています。昨年もTSVの電気特性について発表がありましたが、昨年はTSVの紹介という意味づけでした。しかし、今年はTSVを使って配線した実際の高速信号の解析や熱解析など、さらに具体的な内容となっています。 また、別発表では、TSVを使ってICチップを3次元実装した場合、PoP実装よりもチップ間の距離が短くなるので、チップ間での結合が懸念されるとの問題提起もありました。
今年はジョージア工科大学の先生による、TSVを始めとする3次元実装の解析モデリング講座も開講されました(図14)。
このほか、TSVを使ってパッケージ内の消費電力増大に対する同時スイッチングノイズの問題(Power Integrity)からの問題提起などは多くのセミナーなどで話題となっています。
前田 真一(マエダ シンイチ)
KEI Systems、日本サーキット。日米で、高速システムの開発/解析コンサルティングを手掛ける。
近著:「現場の即戦力シリーズ 見てわかる高速回路のノイズ解析」(技術評論社)
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