ルノー・日産アライアンスが、230億ルーブル(約615億円)を出資して、ロシア最大の自動車メーカーであるアフトワズの経営権を取得する。これにより、ロシア市場における両者の台数シェアは合計で約33%まで拡大する。
Renaultと日産自動車のアライアンス(ルノー・日産アライアンス)、ロシアの国営企業であるRussian Technologies(ロシアン・テクノロジー)は2012年12月12日、ルノー・日産アライアンスが、ロシア最大の自動車メーカーAvtoVAZ(アフトワズ)の経営権を取得することで合意したと発表した。これにより、ルノー・日産アライアンスと、アフトワズが展開する「ラーダ」ブランドの車両のロシア市場におけるシェアは約33%まで拡大する。
2011年のロシアにおける乗用車と小型商用車の市場規模は年間265万台。2012年には、年間290万台までの成長が見込まれている。ルノー・日産アライアンスは、2011年に約30万台を販売していたが、今回のアフトワズの経営権取得により、ラーダブランドの2011年の車両販売台数である約57万8000台が加わることになる。
今回の合意では、ルノー・日産アライアンスとロシアン・テクノロジーが保有するアフトワズの全株式(出資比率で74.5%)を、新たに設立する合弁会社「アライアンス・ロステック・オートBV」に委譲する。ルノー・日産アライアンスは、アライアンス・ロステック・オートBVに対して、2014年半ばまでにルノーが113億ルーブル、日産自動車が117億ルーブル、計230億ルーブル(約615億円)を投資することで同合弁会社の株式を67.13%取得して、アフトワズの経営権を握る。
最終的に、アライアンス・ロステック・オートBVの出資比率は、ルノーが50.1%、日産自動車が17.03%、ロシアン・テクノロジーが32.87%となる。同合弁会社の取締役会長には、ルノー・日産アライアンスCEO(最高経営責任者)のカルロス・ゴーン氏が就任する。アフトワズの経営権取得が完了する2013年6月からは、同社の取締役会長もゴーン氏が務めることになる。
また、ロシアン・テクノロジーは、今後予定されているアフトワズの非中核資産の売却によって得られる収益80億ルーブル(約214億円)によって、同社に対する債権の条件を変更する。無利子負債の残額460億ルーブル(約1226億円)は、2032年まで返済期間が延長される。これによりアフトワズのバランスシートは健全化されるという。
ルノー・日産アライアンスとアフトワズのロシアにおける生産拠点は、約4億ユーロ(約431億円)の投資によって年間35万台の生産規模を確保したトリアッティ工場(2013年からフル稼働)の他、モスクワ工場、サンクトペテルブルク工場、イジェフスク工場などがある。これらを全て合わせると、年間170万台以上の生産能力になる。
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