事業構造の最適化や生産拠点の再編を進めるとともに、今後は高い成長が見込まれる市場に特化した製品開発に注力する。赤尾氏が例として挙げたのが、自動車、産業用機器、スマートフォンの3分野である。
自動車分野では、世界トップシェアの車載マイコンとアナログICやパワー半導体を組み合わせて提案する「キットソリューション」を強化する。「既に、複数の国内・海外大手電装品メーカーから、2017〜2020年モデル向けの商談をキットソリューションで獲得している」(同氏)という。
産業用機器分野でもキットソリューションに注力する。世界シェア50%というインバータモーター向けマイコンを核に、インバータに必要なIGBT、パワーMOSFET、PFC(力率改善回路)用IC、フォトカプラなどをまとめて提案する方針だ。
スマートフォンやタブレット機器分野では、高精細液晶ディスプレイ用ドライバICやリチウムイオン電池パック保護用の低電圧パワーMOSFETといった世界シェアトップの製品を軸に、LTEモデムやワイヤレス給電用ICなどの採用を拡大させていく。
キットソリューションによって、マイコン、アナログICとパワー半導体の売上高を拡大する一方で、デジタル家電向けから撤退するSoCは売上高が減少する。このため、2014年度の事業別の売上高比率は、マイコンが40%強、アナログICとパワー半導体が30%強、SoCが20%強になる。
固定費は、7月3日に発表した5千数百名規模の早期退職募集の効果により年間430億円削減できるという。これにより、2014年度の固定費は、ルネサス エレクトロニクス発足直前と比べて45%削減される。
これらの施策の結果として、2014年度に営業利益率を10%以上まで高められるとしている。
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