マイクロマウス組み立てキットによる電子工作のイロハマイクロマウスで始める組み込み開発入門(2)(2/4 ページ)

» 2012年06月07日 09時30分 公開
[三月兎MONOist]

極性のある電子部品

 組み立て工程の中で、極性のある部品に関しては、その都度注意が促されていますが――。やはり、事前にチェックしておいた方が安心ですよね。

 組み立てキットPi:Co Classicで使用する部品の中で、極性のあるものは表1の通りです。


極性のある部品一覧 表1 極性のある部品一覧。極性の見分け方と、シルクを一緒に覚えると便利だ

値の読み方

 抵抗やセラミックコンデンサには、極性はありません。その代わり(?)、それぞれ“値”があります。値の違う部品を基板に取り付けてしまうと回路が正しく動作しません。最悪の場合、壊れてしまうこともありますので注意しましょう。

 抵抗値は、表2のようにカラーコードで示されています。この読み方を覚えるのも大切ですが、手っ取り早くて確実なのは、テスターで値を調べることです(画像2)。

抵抗値の読み方 表2 抵抗値の読み方。リードとカラーコードの間隔が狭い方が、第1有効数字になる。多くの場合、右側に金・銀のカラーコードがくる。なお、表2の上部にある抵抗のカラーコードは「茶」「赤」「橙(だいだい)」「金」なので、“12 × 10の3乗 = 12000Ω = 12KΩ”となる
抵抗の値は、テスターで測る方が手早く確実 画像2 抵抗の値は、テスターで測る方が手早く確実。ダイヤルをΩに合わせて、リードの両端にテスター棒を当てて測定する。この場合、12KΩの抵抗なので許容差は“±5%”だ

 セラミックコンデンサの値は、最初の2桁をそのまま読み、3桁目を10の何乗として計算します。算出された値は、単位が“pF(ピコファラッド)”になります。通常使われる“μF(マイクロファラッド)”に変換するには、値を100万で割ります(画像3)。

104と103のセラミックコンデンサ 画像3 例は、104と103のセラミックコンデンサ。104 = 10×10の4乗 = 10×10000 =100000pF = 0.1μF。ただし、100pF以下の容量の場合は、直接その容量が記載されている

 Pi:Co Classicの部品は、工程ごとに小袋に分かれています。ただし、中には1つの袋に2種類の抵抗やコンデンサが入っていることもありますので注意してください。電子工作では、ミスした箇所をキーボードの[Delete]キーで消すように、カンタンには修正できません。たとえ1種類の抵抗しかなくても、念のために調べる慎重さが非常に大切です。

部品の加工

 コンデンサやLEDは、取り付け位置によって、リードを曲げ加工(フォーミングと呼びます)する必要があります。ラジオペンチを使い、穴の位置に合わせて足を曲げます(画像4、5)。

フォーミング(1) 画像4 コンデンサのリードを穴の幅に合わせてフォーミングする。一度リードを伸ばしてから、5mm幅に曲げ直す
フォーミング(2) 画像5 曲げたい部分から2mmくらい離れたところをラジオペンチで挟んで、指で部品を倒す

はんだ付けのコツ 〜慌てず、モタモタせず「習うより慣れろ!」〜

――いよいよ、はんだ付けに取り掛かります! が……。

北上

えみちゃん、はんだ付けは初めて?


えみ

中学生のときに、技術の授業でちょっとやった程度です……。

正直、あまり覚えてません。


北上

うーん。じゃあ、少し練習してからの方がいいな!


えみ

ですよねぇ。キットで失敗したら、ヒサンですもん……。


北上

そうだね。

まぁ、そう思ってユニバーサル基板を買っておいたんだ。

これで練習するといいよ!



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