ZMP、2足歩行ロボット「e-nuvo WALK ver.3&SDK 2011」をリリース人工知能、自律移動ロボットなどの研究・開発に

ゼットエムピーは、2足歩行ロボット「e-nuvo WALK ver.3」の開発環境を強化した「e-nuvo WALK ver.3&SDK 2011」をリリース。同日より受注を開始する。

» 2011年05月24日 17時38分 公開
[八木沢篤,@IT MONOist]

 ゼットエムピーは2011年5月24日、2足歩行ロボット「e-nuvo WALK ver.3」の開発環境を強化した「e-nuvo WALK ver.3&SDK 2011」をリリースした。

 2007年より販売を開始しているe-nuvo WALK ver.3は、12自由度(各脚6関節)を持つ2足歩行ロボット。ミドルウェアにマイクロソフトのロボティクス制御技術向け開発・実行環境「Microsoft Robotics Developer Studio(以下、RDS)」を採用し、力学シミュレータ上でバーチャルロボットの動作確認が可能で、アルゴリズムの有効性を実ロボット(ハードウェア)なしで検証できるのが特長だ。

e-nuvo WALK ver.3 図1 左が「Microsoft Robotics Developer Studio」の画面、右が「e-nuvo WALK ver.3」

 ロボット本体は、実習・実験での利用を想定し、高剛性金属フレームにて構成され、足首と股関節は人間の関節構成と近く逆運動学計算も容易な直交軸を採用している。現在、教育機関における実習教育や人工知能、自律移動ロボット、ヒューマンインタフェースなどの研究・開発で活用されているという。


システム構成について 図2 システム構成について

 今回リリースされたe-nuvo WALK ver.3&SDK 2011では、新たにシミュレーションの様子を可視化する「Dashboard」と、自由な歩行を実現する「Motion Launcher」が追加されるとともに、RDSの最新版(2008 R3)に対応した。これら開発環境の強化により、シミュレータ上のバーチャルロボットと実ロボットとの挙動比較がこれまで以上に行いやすくなり、実習やアルゴリズム検証などが進めやすくなるという。販売価格は、60万6000円(税別)。同日より受注を開始する。

e-nuvo WALK ver.3&SDK 2011の新機能について 図3 e-nuvo WALK ver.3&SDK 2011の新機能について
  • Microsoft Robotics Developer Studio 2008 R3に対応 
    最新のRDS 2008 R3は、Microsoft Visual Studio 2008/2010(Express Editionを含む)に対応。グラフィカルな環境でのプロジェクト作成が可能。また、サービス間のメッセージスループットの向上やロード処理の高速化により処理速度が向上
  • シミュレーションの様子を可視化する「Dashboard」 
    シミュレーション環境のバーチャルロボットの各関節について、関節角度の目標値とシミュレーション結果の差異がグラフィカルに確認可能。開発したアルゴリズムやモーションをシミュレーションにて事前検証できる
  • 自由なロボット動作を実現する「Motion Launcher」 
    実ロボットおよび、シミュレーション上のバーチャルロボット共に、歩行時の歩幅と旋回角を任意に変更可能。自律移動などのアルゴリズムを実装する際のロボットの動作自由度が向上。

 以下、e-nuvo WALK ver.3&SDK 2011の仕様を示す(表1)。

e-nuvo WALK ver.3&SDK 2011の仕様 表1 e-nuvo WALK ver.3&SDK 2011の仕様

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