“リード線付き抵抗器”といえば、色とりどりのカラーコードが大きな特徴だ。今回は、カラーコードの読み方について詳しく解説する
今回は、前回「マザーボードで見る“抵抗器”」の予告どおり“リード線の付いた抵抗器”について解説します。
本連載で題材としたマザーボード(以下、M/B)を眺めてみても、残念ながらリード線の付いた抵抗を見つけることができません。それはなぜでしょうか?
M/Bを見ていただくと分かりますが、数多くの部品が高密度に並んでいます。ここにリード線の付いた抵抗を載せてしまうと、それだけでM/Bの面積を食ってしまうからです。そのため、前回紹介したような、“表面実装用のチップ抵抗”が使われているのです。表面実装の抵抗であれば、高密度に部品を搭載することができるのです。
それでは、リード線付きの抵抗はどのようなところに使われるのでしょうか?
リード線付きの抵抗の良いところは、何といっても“値段の安さ”です。このことからも分かるように、高密度に部品を搭載する必要がなく、なおかつ安価に実現したい製品に使われます。例えば、安価なホビー向けのマイコン基板などによく使用されています(参考)。
リード線付きの抵抗は、上記のようなホビー向けマイコンなどではんだ付けを行ったことがある方ですと、おなじみの形状かと思います。
さて、このリード線付きの抵抗といえば、抵抗に色とりどりのカラーコードが付いているのが大きな特徴です。
その昔、理科の授業で習ったことのある読者もいらっしゃることでしょう。そこで、今回はこのカラーコードの読み方を見ていくことにしましょう!
カラーコードとは色の帯を印にして、その抵抗の大きさ(抵抗値)やその大きさに対する許容誤差を表します。また、このカラーコードには、「4色表示」と「5色表示」のものがあります。“5色表示の方が有効けた数が3けた”となるので、それだけ精度の高い抵抗値が得られます。ここでは、さらに安価な4色表示の抵抗のカラーコードを題材に説明します(図1)。
4色表示の抵抗には、第1〜第4の色帯がありますが、図1のような場合“右端”と“左端”どちらが第1色帯なのでしょうか?
ルールは簡単で、図2にあるように“リード線と色帯の間隔の狭い方”が第1色帯となります。
実物では少し分かりにくいかもしれませんが、ほとんどの場合、第4色帯に「金色」が使われていることが多いので、それを目安にすると良いでしょう。
スイッチ入力の部分に使われるプルアップ抵抗(10kΩ)の場合は、「茶」「黒」「橙」「金」になっていることが多いです。これを表1に当てはめてみると、
第1色帯は「茶」なので“1”、第2色帯は「黒」なので“0”、 第3色帯は「橙」なので“10の3乗”、許容差である第4色帯は「金」なので“±5%”。つまり、
となります。
この表と計算方法を覚えていなくても、以下のような便利なサイトもあります。
次回は、抵抗器の種類やそれに関連する面白い話をご紹介します。(次回に続く)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.