トヨタの社内EVベンチャー、トップは4代目「プリウス」開発責任者が就任:製造マネジメントニュース
トヨタ自動車は2016年11月30日、役員の担当変更と人事異動を発表した。同社が電気自動車(EV)の開発を加速するために新設する社内ベンチャー「EV事業企画室」に関わる内容となっている。
トヨタ自動車は2016年11月30日、役員の担当変更と人事異動を発表した。同社は同年11月17日に、電気自動車(EV)の開発を加速するために社内ベンチャーを新設させる方針を表明。今回の発表は、その社内ベンチャーとなる「EV事業企画室」に関わる内容となっている。
まず、12月1日付で行う役員の担当変更では、社長の豊田章男氏、副社長の加藤光久氏と寺師茂樹氏という3人の代表取締役の担当役職に「EV事業企画室(統括)」が加わる。トップの豊田氏を含めて代表取締役3人が担当職を務めるのは異例のことで、EV事業企画室の設立の目的である「小さな組織で仕事を進めることでプロジェクトのスピードアップを図り、商品の早期投入を目指す」の実現に対する並々ならない意気込みを感じさせる。
そして同じく12月1日付の基幹職1級人事異動として、Mid-size Vehicle Companyのチーフエンジニアを務める豊島浩二氏が、EV事業企画室の室長兼チーフエンジニアに就任する。またEV事業企画室にの主査にはアイシン精機からの出向の小室健一氏が就く。
11月17日の発表では、社内ベンチャーに、トヨタ自動車、アイシン精機、デンソー、豊田自動織機の4社から1人ずつ参加するとしていた。12月1日付のEV事業企画室の発足に際しては、トヨタ自動車の豊島氏、アイシン精機の小室氏の他、基幹職2級の人事異動として、デンソーと豊田自動織機からも人員が出向している。
EV事業企画室の室長となる豊島氏は4代目「プリウス」や、間もなく発売される「プリウスPHV」の開発責任者を務めたことで知られている。
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