スマートスケープの3D類似形状検索システム「SS4M」を山下電気が導入した。過去案件の調査時間を平均30分から約10分に短縮し、検索業務の工数を約7割削減した。
スマートスケープは2026年9月1日、同社の3D類似形状検索システム「SS4M」を、金型製作から射出成形、二次加工までを手掛ける山下電気が導入したと発表した。過去案件の調査時間を平均30分から約10分に短縮するなど、3D CAD資産の活用に成果を上げている。
山下電気では従来、見積もりや金型検討の際、紙資料や既存データベース、担当者の記憶などを頼りに過去の類似案件を探していた。このため、担当者によって検索精度やスピードに差が生じ、担当者が不在の場合や他部署の案件を調べる場合には、類似案件にたどり着くまで最長90分程度を要するケースもあった。
SS4Mは、蓄積された3D CADデータから形状が類似するモデルを検索できるシステムだ。CADソフトウェアに依存せず、サーバライセンスで多数のユーザーが利用できるほか、一般的なPCやオンプレミス環境で運用できる点などが評価され、導入に至った。
導入後は、3Dモデルを投入して類似形状を検索し、型番の特定や関連資料へのアクセスが容易になった。その結果、平均30分を要していた調査業務を約10分に短縮し、1件当たり約20分、検索業務全体では約7割の工数削減を実現した。従来は最長90分を要していた複雑な案件にも効率的に対応できるようになったという。
見積もり業務では、類似製品の発見数が増え、過去の見積もりとの比較や、他の担当者が扱った案件の横断的な活用が可能になった。見積もりの裏付けとなる情報も効率的に取得できるようになったとしている。
また、若手社員でも自ら類似案件を検索し、過去事例を確認した上で熟練社員に相談できるようになった。これにより、初期段階の確認や問い合わせが減少し、より専門的な技術議論に時間を充てられるようになったという。
現在は技術部門だけでなく、営業、製造、品質管理にも利用範囲が広がり、約60人がSS4Mを利用している。材料情報、得意先、金型番号、二次加工条件の検索や、製造現場への情報共有にも活用されている。
新規受注時には3Dデータを登録し、属性情報をひも付けることで、後工程でも事前に製品情報を把握できるようにしている。形状だけでなく、製造条件や過去の対応履歴まで含めた技術資産として再利用を進めている。
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