夏のおもちゃの定番、ピュッと水が飛び出す「水鉄砲」の仕組み:100円均一でモノの仕組みを考える(18)(1/2 ページ)

本連載「100円均一でモノの仕組みを考える」では、実際に100円均一ショップで販売されている商品を分解/観察して、その仕組みや構造を理解しながら、製品開発の過程を考察していきます。連載第18回のお題は、昔ながらのプラスチック製「水鉄砲」です。引き金を引くだけで水が飛び出す仕組みと、水漏れを防ぐための工夫を見ていきます。

» 2026年10月01日 07時00分 公開

こんな人にオススメの記事です!

100円均一でモノの仕組みを考える
  • モノの仕組みや構造、分解に興味がある方
  • 設計スキルの向上を図りたい方
  • 自社製品の差別化/競争力アップを目指したい方

 本連載は、実際に100円均一ショップで販売されている商品を分解/観察し、その仕組みや構造を理解して、製品開発の過程を知ることを目的としています。前回は、衣類の毛玉を素早く取り除く「毛玉取り機」を取り上げました。

テーマ18:水鉄砲

 連載第18回となる今回は、夏のおもちゃの定番「水鉄砲(ウオーターガン)」を取り上げます(図1)。100円均一ショップができる前から駄菓子屋などで売られていましたので、誰でも一度は遊んだことがあるのではないでしょうか。

今回のお題「水鉄砲」のイメージ 図1 今回のお題「水鉄砲」のイメージ[クリックで拡大] 出所:iStock/stuartbur

 最近でこそ、あらかじめタンクへ空気を送り込んで加圧する「加圧式」や、大型の電動水鉄砲なども見掛けるようになりましたが、今回紹介するのは「引き金を引くだけで水がピュッと飛び出す」最もオーソドックスでシンプルな構造のプラスチック製水鉄砲です(図2)。

今回筆者が100円均一ショップで入手した「水鉄砲」 図2 今回筆者が100円均一ショップで入手した「水鉄砲」[クリックで拡大]

水鉄砲の部品構成

 透けて見えるクリアイエローのボディーの中には、わずかな部品数で確実に水を吸い上げ、前方へ噴射するための機構が詰まっています(図3)。

「水鉄砲」の部品構成 図3 「水鉄砲」の部品構成[クリックで拡大]

 今回の水鉄砲は、本体が2分割されており、超音波溶着などでがっちりと接合されています。ネジ留めはされておらず、左右の合わせ目から水が漏れないようになっています。そのため、無理にこじ開けると破損してしまいます。本連載は構造を見るのが目的ですので、もちろんバラします。

 内部にある主な構成部品は以下の通りです(図4、図5)。

「水鉄砲」の内部部品 図4 「水鉄砲」の内部部品[クリックで拡大]
シリンダーユニットを構成する部品 図5 シリンダーユニットを構成する部品[クリックで拡大]

本体(左右2パーツ)

 全体のフレームと水を入れる「貯水タンク」を兼ねています。

給水口キャップ

 タンク後部の上側にある、水を注ぐためのふたです。

吸入口

 シリンダーに向かって水が流入するパイプを指します。

ノズル(射出口)

 水を射出するための先端の細い穴です。

シリンダー

 ピストンが往復運動する筒を指します。

ピストン(引き金)

 指で押すことで水を噴出させます。スプリングの力で元の位置に戻る仕組みです。

ピストン先端シール

 シリンダー内の気密性/水密性を高めるパッキンです。

スプリング

 ピストンを押した後、元の位置に戻すためのバネを指します。

逆止弁

 流入側(タンク→シリンダー)と射出側(シリンダー→ノズル)を流れる水の方向を制御するための弁です。

シリンダーホルダー

 スプリングなどを組み込んだシリンダーを、本体内の決まった位置に保持します。

パッキン

 シリンダーと本体の間から水が漏れるのを防ぐための部品です。

 部品構成で特筆したいのは、「本体自体がそのまま貯水タンクになっている」点です。タンクを別のパーツとして用意するのではなく、左右の本体を接合することで形成される空間をそのままタンクとして利用しています。

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