浮体式洋上風力の量産化へ、ピン/グラウト接合によるモジュール型浮体を開発メカ設計ニュース

JFEエンジニアリングなど5者は、NEDOの「次世代浮体式洋上風力発電システム実証研究」で、モジュール型浮体に導入するピン結合技術とグラウト接合技術の開発に関する提案が採択された。既存の工場設備や港湾を活用した効率的な生産/組み立てにより、コスト低減や国内サプライチェーンの強化を目指す。

» 2026年08月27日 09時00分 公開
[MONOist]

 JFEエンジニアリングは2026年8月17日、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募した「次世代浮体式洋上風力発電システム実証研究」で、「モジュール型浮体に導入するピン結合技術およびグラウト接合技術の開発」に関する提案が採択されたと発表した。事業期間は同年7月〜2028年3月を予定している。

ピン結合技術とグラウト接合技術を導入したモジュール型浮体(イメージ図) ピン結合技術とグラウト接合技術を導入したモジュール型浮体(イメージ図)[クリックで拡大] 出所:JFEエンジニアリング

 同事業には、JFEエンジニアリング、清水建設、東京電力リニューアブルパワー、ユーラスエナジーホールディングス、日本海事協会の5者が参画する。

 実証研究では、風や波による揺れに強い「セミサブ型」の浮体構造を採用する。部材の接合方法には、土木や建築分野で広く用いられているピン結合技術と、隙間に充填材料(グラウト)を流し込んで固定するグラウト接合技術を導入し、効率的な組み立てによるコスト低減を目指す。

 浮体を構成する各部材は、多くの鋼管製造会社や鋼構造物製造会社で製造できる形状や寸法とする。これにより、国内の既存の造船所や鋼橋/海洋鋼構造物の製造工場などが保有する設備や技術を活用した生産が可能になる。多くの企業が部材製造を担えるため、国内サプライチェーンの強化にもつながるとしている。

 また、ピン結合技術とグラウト接合技術を用いた組み立ては、現地の作業環境条件の影響を受けにくく、港湾ヤードでの組み立て作業を効率化できるという。部材の小規模化によって仮保管スペースも抑えられるため、比較的コンパクトな港湾でも組み立てが可能になる。

 これらの接合技術を導入した浮体構造については、国際的な第三者認証機関であるDNVによる先行評価が行われている。今後、国内の気象/海象条件やサプライチェーンへの適合性などを検討、評価するとともに、国内での量産化を念頭に、ガイドライン整備に資する技術情報を整理する。

 2025年2月に閣議決定された「第7次エネルギー基本計画」では、再生可能エネルギーを主力電源として位置付けている。また、同年8月に公表された「洋上風力産業ビジョン(第2次)」では、2040年までに15GW以上の浮体式洋上風力発電の案件形成を目標に掲げており、2030年以降の本格的な導入拡大に向けた技術開発が求められている。

 5者は同事業を通じて、安全性や信頼性、経済性の観点から技術検討を進めるとともに、設計手法や製造/施工における品質管理手法の確立を目指す。

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