アライドエンジニアリングは、構造解析ソフト「ADVENTURECluster2026」を2026年10月1日にリリースする。自然言語による指示で解析条件の設定から実行、結果確認までを自動化する「AI Expert」を搭載。位相最適化の計算時間短縮や、固有振動数を考慮した最適化への対応、大規模モデルへの適用範囲の拡大、接触解析の高精度化も図った。
アライドエンジニアリングは2026年9月24日、構造解析ソフトの最新バージョン「ADVENTURECluster2026」を同年10月1日にリリースすると発表した。
「ADVENTURECluster」は、数千万から1億節点を超える大規模メッシュモデルの構造評価に対応する国産ソフトウェアだ。最新版には、自然言語による指示で解析条件の設定から解析実行、結果確認までを自動化する新製品「AI Expert」を搭載する。
従来、ADVENTUREClusterによる解析には専門知識や運用経験が求められ、設計者が結果を確認する際にも解析担当者への依頼が必要となるケースが多かった。同社はAI Expertを通じて、解析業務の属人化の解消と、設計者自身によるCAE活用の拡大を支援する。最新版ではこの他、位相最適化の計算時間短縮や、振動特性を考慮した設計への対応なども図った。
AI Expertを使えば、設計者は「最大応力はどこか」などと自然言語で質問し、解析結果を確認できる。解析担当者に対しては、AIが解析対象のモデルと過去の類似モデルとの違いを判断しながら、解析条件の設定を支援するという。繰り返し発生する設定作業の負担を軽減し、解析担当者がより高度な解析や課題解決に注力できる環境を目指す。
ADVENTURECluster2026では、計算アルゴリズムの改善によって位相最適化の計算時間を短縮した。型抜き制約を含む位相最適化は計算が収束しにくく、従来は時間を要していたが、改善によって計算時間を数割削減できるようになった。モデルによっては、従来の15%程度まで短縮する効果も確認しているという。
また、固有振動数を位相最適化の評価関数や制約条件として設定できるようになった。従来は最適化形状を得た後に振動解析で評価し、必要に応じて設計を見直していたが、最新版では最適化の段階から振動特性を考慮できる。エンジンやトランスミッションのマウントなどを対象に、軽量化と振動性能の両立を目指した設計検討を効率的に進められる。
AMG(Algebraic Multigrid)法への対応により、薄物形状や歪んだ要素を含む大規模モデルについて、解析の適用範囲を拡大した。従来は計算の収束が難しかったモデルにも、適用できるケースが広がる。比較的少ないメモリ使用量で解析を実行できる点も特徴だ。
接触解析には、新たに「Hashiguchi摩擦モデル」を搭載した。接触面で発生する微細な滑りの蓄積挙動を再現でき、繰り返し荷重によるボルトの緩み挙動の予測などへの活用が期待される。
さらに、変形前後の形状を自動的に重ね合わせる位置合わせ機能も追加した。部品全体の移動や回転の影響を除いて形状変化を表示できるため、部品の反りや歪みを評価しやすくなる。
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