DMPは2025年、ロボットやドローンを現実世界で自律的に動かすフィジカルAIの中核的な頭脳として、エッジAIチップ「DI1」を開発した。DI1は、DMPが独自開発したNPUと、台湾のiCatch Technology製のISPを1チップに統合した、エッジAIカメラ向けSoC(システムオンチップ)である。
FP4(4bit浮動小数点演算)に対応した組み込み向けのチップとなっており、山本氏は「NVIDIAなどの環境で学習したモデルとの互換性を備えている。既存の学習済みパラメータをそのまま推論に利用できるため、精度を維持しながらメモリの使用量と消費電力を大幅に抑えることが可能だ」と説明する。
DMPでは、DI1とステレオカメラを連携させた、協働ロボット向けの「デジタル安全柵ソリューション」を展開している。カメラが人とロボットの双方を検出し、両者の最も近い点と距離を推定して安全性を監視する。あらかじめ設定した距離の閾値を下回ると、警告を出力する仕組みだ。
使用するカメラは市販のもので対応でき、複数のロボットや人を同時に認識することが可能である。これにより、工場内のライン構成を変更する際の手間や負荷を最小限に抑えつつ、リアルタイムな安全制御を実現しているという。
ロボットやドローンなどの実際の機器は、バッテリー容量や搭載スペースに厳しい制限がある。DI1のように、既存の学習モデルを転用し、メモリ消費を抑えながら高速にデータ処理を行えるハードウェア技術を武器に、実用的なフィジカルAIの実装に向けた市場開拓を狙う。
山本氏は今後の応用先として、ヒューマノイドロボットの可能性にも言及した。「DI1はコンパクトであり、ヒューマノイドロボットの関節部分にも組み込める大きさだ。当社が持つ画像認識技術などと融合させることで強みを発揮できる。ヒューマノイドは今後大きな市場になるため、引き続き研究開発を進めていく」と述べ、中長期的な技術展開の方向性を示した。
なお、同ショールームは完全予約制だ。
FP4対応で電力性能比22倍のエッジAI開発環境
Visual SLAMをベースとした自律運転ソフトウェアがGEクリエイティブのAMRに採用
次世代スマートBEMSなどのエッジAIカメラソリューションに向けて協業
「RS1」採用遊技機、販売累計10機種ならびに10万台を突破
フィジカルAI時代のロボティクス新標準、安全性は「後付け」でなく「設計の核心」
“3つの頭脳”で80TOPSの処理性能を実現 AMDが語る「次世代AIチップ」戦略Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Factory Automationの記事ランキング
コーナーリンク