Ryzen Embeddedシリーズは、画像処理をリアルタイムで実施し、高いエネルギー効率を求められる領域や、頑丈で長寿命なモジュールが必要な領域で需要が高まっている。実際に、自動車やインダストリー、ヘルスケア、放送機器/スイッチャー、テスト装置、航空宇宙/防衛といったさまざまな市場で活用されている。一方EPYC Embeddedシリーズについては、低遅延で高い可用性と信頼性が評価され、ミッションクリティカルなネットワーク装置やクラウドストレージなど高負荷な処理が発生する領域に多く導入されている。
AMDはハードウェア以外にも、ユーザーのAI処理をサポートするソフトウェアとして「AMD Ryzen AI ソフトウェア」を提供している。加えて、GPUをより中心的に使用したいユーザーに対しては、AIやHPC(高性能コンピュータ)向けの基盤である「AMD ROCm(ロックエム)」を、Ryzen Embeddedシリーズでも活用できるように拡張している。これにより、データセンター上のGPUでROCmを使って開発したAIモデルを、そのままRyzenのエッジ環境でも動かすことが可能になる。
また、より小型の端末で高いAI処理性能が求められるフィジカルAIのような領域でも、カメラやLiDAR(Light Detection and Ranging、ライダー)などのセンサーデータを低遅延で処理してAI推論を行い、最後にCPUが得意なディシジョン(意思決定)を実行するという流れを、1つのチップで全て提供できることが市場から評価されているという。
注目が集まっているフィジカルAI領域について、杉山氏は「われわれはすでにベースとなるインテリジェントマシンを提供し、さまざまな領域で活用していただいている。ロボティクスのCPUやビジョンAIのSoC、モーター制御、LiDARのデータ処理など、リアルタイム処理のプロセッサが必要な領域でAMDの製品は長らく使われており、世の中のトレンドも解決する技術要素も持っている。そのため、この要素を集結する形でEmbedded P100やEmbedded X100シリーズを今後展開していく」と強調する。
AMDは組み込み向けのプロセッサやエッジデバイスが重要だと考えており、日本での製品展開にも意欲を見せている。今後の日本展開について杉山氏は「日本は自動車産業や産業機器、そしてそこからつながるフィジカルAIの領域が非常に強く、AMDの組み込み向けテクノロジーと親和性が高い。テクノロジーパートナーなどのエコシステムの拡大に力を入れており、2026年はx86 Embeddedシリーズの認知度をB2B向けで高めるための活動に取り組む。われわれのテクノロジーでフィジカルAIなどの新しいマーケットに踏み込み、世の中が便利になる手助けをしたい」と抱負を述べた。
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