インテルがメインストリームPC向け製品「インテル Core シリーズ3 プロセッサー」と、ハンドヘルドゲーミングPC向け製品「インテル Arc G3 プロセッサー」について説明。また、「COMPUTEX TAIPEI 2026」に併せて発表したエッジAI/フィジカルAI向けソリューションも紹介した。
インテルは2026年6月18日、東京都内で会見を開き、同社のメインストリームPC向け製品「インテル Core シリーズ3 プロセッサー(以下、Core シリーズ3)」と、ハンドヘルドゲーミングPC向け製品「インテル Arc G3 プロセッサー(以下、Arc G3)」について説明した。また、「COMPUTEX TAIPEI 2026」(同年6月2〜5日、台湾台北市)に併せてリリースしたエッジAI(人工知能)/フィジカルAI向けソリューションも紹介した。
Core シリーズ3とArc G3は、2026年1月に発表したフラグシップPC向け製品「インテル Core Ultra シリーズ3 プロセッサー(以下、Core Ultra シリーズ3)」と同じ製造プロセスとアーキテクチャを基に開発された。製造プロセスの「Intel 18A」は、新たなトランジスタ構造である「RibbonFET」の採用により、前世代の「Intel 3」と比べて消費電力当たりの処理性能が15%向上している。また、上半分に信号線、下半分に電源ラインを集積する配線層の技術「PowerVia Technology」により、Intel 3よりもチップ密度が30%高まった。
アーキテクチャは、高性能コア(P-CORE)「Cougar Cove」と高効率コア(E-CORE)「Darkmont」から成るCPUに、AIアクセラレータ「NPU 5」と内蔵GPU「Xe3」を組み合わせる構成となっている。インテル IA技術本部 部長の太田仁彦氏は「基本構成は、Core Ultra シリーズ3とCore シリーズ3は共通している。その上で、Core シリーズ3はCore Ultra シリーズ3のために開発した最新IPを価格重視のユーザー向けに拡大することを目的とした製品になっている」と語る。
従来のインテル製品は、フラグシップ/ハイエンド向け製品に最新の製造プロセスとアーキテクチャを採用しつつ、メインストリーム向けには1世代前の技術を改良/最適化して提供することも多かった。「AI技術が進化する中で、PCなどクライアント製品も大きな転換期を迎えている。価格を重視するユーザーといえども、AIをはじめ最新技術によるメリットを享受したいと考えており、Core シリーズ3はそういったニーズに応えるものだ。開発コードが『Panther Lake』のCore Ultra シリーズ3はフラグシップとなるヒョウ(Panther)の位置付けであり、『Wildcat Lake』のCore シリーズ3はヤマネコ(Wildcat)としてより広く普及を目指す」(太田氏)という。
Core Ultra シリーズ3は、CPU最大8コア+GPU最大4コア、CPU最大16コア+GPU最大4コア、CPU最大16コア+GPU最大12コアという3種類のパッケージ構成となっている。これに対してCore シリーズ3は、CPU最大6コア+GPU最大2コアの1種類だけとしており、パッケージ構成の観点でも価格重視のユーザー向けが強く意識されていることが分かる。
Core シリーズ3のCPU構成はCougar Coveが2コア、Darkmontが4コアで、Core Ultra シリーズ3からはCougar Coveを削減する方向で調整されている。また、2コア搭載するGPUはCPUタイルに集積されている。Core Ultra シリーズ3では外部ファブ製造の専用のGPUタイルを用いているので、タイル数の削減はコスト削減に直結するとみられる。NPU 5のAI処理性能も、Core Ultra シリーズ3の50TOPSに対して、Core シリーズ3は15〜17TOPSに抑えられている。
メモリインタフェースはCore Ultra シリーズ3のデュアルチャネルから、Core シリーズ3ではシングルチャネルに変更している。メモリ側キャッシュもCore Ultra シリーズ3の8MBから4MBに半減した。プラットフォーム側タイルに搭載するインタフェースやコネクティビティの機能でも、PCIeのレーン数が6レーンになったことでPCIe Gen 5には対応していない。ただし、Wi-Fi 7やBluetooth 6.0、Thunderbolt 4(チャネル数は4から2に削減)への対応は維持している。
このように価格重視のユーザーを強く意識したCore シリーズ3だが、現行のノートPCに広く搭載されている「第13世代インテルCoreプロセッサー」と比べて大幅な性能向上が図れる。Core シリーズ3で最上位の「インテル Core 7 プロセッサー 360」と第13世代Coreプロセッサーの「インテル Core 7 プロセッサー 150」を比較すると、日常のクリエイティブ制作や生産性で最大2.1倍、AI性能で最大2.7倍、代表的なアプリケーションの電力消費が半分以下になるなどの効果が得られたという。
その他、ノートPCを終日使用できる長時間のバッテリー設計が可能なことや、5年前に発表した「第11世代インテルCoreプロセッサー」のフラグシップ製品に対してシングルスレッド性能やマルチスレッド性能、写真編集、Webブラウジング、生産性タスク、GPUのAI処理など全ての観点で大幅な性能向上が見込めることから、PCのアップグレードに最適の機会になることを訴えた。
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